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2008 年度 実績報告書

植物ホルモンであるオーキシンによる統御系

計画研究

研究領域植物メリステムと器官の発生を支える情報統御系
研究課題/領域番号 19060008
研究機関北海道大学

研究代表者

山本 興太朗  北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80142008)

研究分担者 綿引 雅昭  北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (70396282)
キーワードオーキシン / イメージング / 化学発光 / 屈地性 / 偏差成長 / 細胞核-細胞質移行 / Aux / IAA
研究概要

オーキシン作用を時間的・空間的に詳しい分解能で調べるために、Aux/IAA遺伝子の中のMSG2/IAA19に着目して、そのオーキシン応答を高感度CCDカメラと高輝度Luc(ELuc) 融合遺伝子を用いて実時間で観測した。ElucにPEST配列を付加することによって発光のダイナミックレンジを大きくすることができ、それを用いて花茎の屈地性反応時のMSG2プロモーター(pMSG2) 活性を測定すると、水平に倒した花茎の下側に発光が偏差的に生じ、花茎が立ち上がるにつれて発光分布が均一に戻る様子が観察できた。一方、35SプロモーターでMSG2-ELuc融合タンパク質を駆動すると、その発光を検出することができる。そこにオーキシンを投与すると発光は減少するが、そこで数分以内の半減期で減少するのは核に局在する発光だけで、相当量存在する細胞質からの発光はオーキシン投与に反応しなかった。このことは、Aux/IAAの核-細胞質問移行がオーキシン応答の一つの素過程になっている可能性を示唆している。また、優性突然変異型タンパク質msg2-ELucの発光は予想どおり、オーキシン投与に反応しなかった。レベルの低い内生MSG2レベルを評価するために、ELucをMSG2の両側に融合させたpMSG2 : ELuc : MSG2 : ELucの発光を観察したところ、根での発光が観察されて、その発光レベルは振動していた。pMSG2活性自体も振動しており、これらの振動とオーキシンの形態形成能との関係を明らかにすることが重要だと考えられる。黄化芽生えのフックが光照射によって開くときにpMSG2活性と35S : MSG2-ELucシグナルを観察したが、後者のシグナルが減少するとともに前者のシグナルが上昇することから、Aux/IAA-オーキシン応答因子・フィードバック・ループがフックが開く偏差成長過程で働いていることが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Overexpression of the noncanonical Aux/IAA genes causes auxin-related aberrant phenotypes in Arabidopsis2008

    • 著者名/発表者名
      Sato, A., Yamamoto, K. T.
    • 雑誌名

      Physiologia Plantarum 133

      ページ: 397-405

    • 査読あり
  • [雑誌論文] What's the Physiological Role of Domain II-less Aux/IAA proteins?2008

    • 著者名/発表者名
      Sato, A., Yamamoto, K. T.
    • 雑誌名

      Plant Signaling & Behavior 3

      ページ: 496-497

  • [学会発表] 発光レポーターを使った可視化技術で見るオーキシン応答2009

    • 著者名/発表者名
      綿引雅昭、山本興太朗
    • 学会等名
      第50回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090321-24
  • [学会発表] 蛍光相互相関分光法によるシロイヌナズナのオーキシン・シグナル伝達因子間の分子間相互作用の解析2008

    • 著者名/発表者名
      武藤秀樹、吉村巧、山本興太朗、金城政孝
    • 学会等名
      第46回日本生物物理学会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20081203-05
  • [学会発表] 非典型的Aux/IAAのLAA20とIAA30のプロモーターGUSを用いた発現様式の研究2008

    • 著者名/発表者名
      佐藤敦子、綿引雅昭、山本興太朗
    • 学会等名
      日本植物学会第72回大会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      20080925-27
  • [学会発表] ルシフェラーゼ融合タンパク質を用いたシロイヌナズナMSG2/IAA19タンパク質レベルの調節の研究2008

    • 著者名/発表者名
      清水久代、佐藤壮一郎、綿引雅昭、山本興太朗
    • 学会等名
      日本植物学会第72回大会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      20080925-27
  • [学会発表] Measuring molecular interaction among signaling proteins of Arabidopsis by fluorescence cross-correlation spectroscopy2008

    • 著者名/発表者名
      Muto, H., Yoshimura, T., Yamamoto, K. T., Kinjo, M.
    • 学会等名
      7^<th> Intl. Weber Symp. on Innovative Fluorescence Methodologies in Biochemistry and Medicine
    • 発表場所
      Kauai, Hawaii
    • 年月日
      20080606-12
  • [図書] Methods in Molecular Biology, vol. 479, Plant Signal Transduction Methods and Protocols2008

    • 著者名/発表者名
      Muto, H., Kinjo, M., Yamamoto, K.T.
    • 総ページ数
      357
    • 出版者
      Humana Press

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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