計画研究
1)TDIF/CLE41/CLE44の発現場所の解析 :TDIFペプチドは道管細胞分化を阻害することによって、異なる維管束細胞のバランスの保持に働いていると考えられた。そこで、まず、TDIFが個体内のどこでつくられるか知るために、TDIFをコードしているシロイヌナズナ遺伝子CLE41、CLE44のプロモーター解析を行った。その結果、これらの遺伝子は維管束の師部・内鞘・内皮の限られた細胞で発現していることが明らかとなった。次に、TDIFの特異的抗体を作成し、組織中での発現を調べたところ、師部のまわりの細胞壁に強いシグナルが認められた。これらの結果から、TDIFは師部を中心とした細胞によりつくられ、細胞外に分泌されることが明らかとなった。2)TDIF/CLE41/CLE44ペプチドの受容体の解析 :TDIFペプチドの対する受容体を同定するために、in situでTDIFペプチド活性を測定するバイオアッセイ系を開発した。このアッセイ系では、TDIF存在下で道管形成のとぎれが観察された。これまでの様々なデータから、TDIFペプチドの受容体はLPR-RLKに属する可能性が高いと考えられたので、シロイヌナズナLRR-RLK(ロイシンリッチリピート受容体様キナーゼ)遺伝子、またLRR-RLP(ロイシンリッチリピート受容体様タンパク質)中にT-DNAが挿入された変異体の収集を行った。このうち、これまでの発現解析の結果などから、56遺伝子に絞り込み、そのT-DNA挿入ライン約130について、バイオアッセイを行った。その結果、3ラインでTDIFによる道管形成異常が見られなかった。この3ラインは1つのLRR-RLK遺伝子座の異なる3つのアリルであることが分かった。したがって、この原因遺伝子のコードするLRR-RLKがTDIFペプチドの受容体である可能性が考えられた。
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http://www.biol.s.u-tokyo.ac.jp/users/seigyo/lab.html