計画研究
後生木部道管のマスター遺伝子VND6をエストロゲン誘導型にしてシロイヌナズナ培養細胞に導入し、形質転換ラインを作成した。この実験系を用いてマイクロアレイをした結果、VND6は細胞死関連の遺伝子の発現を直接に制御している可能性が示唆された。詳細なプロモーター解析の結果、VND6は細胞死関連の遺伝子上にあるTERE配列に結合し、これらの遺伝子の発現を誘導することが明らかになった。この結果から、植物の細胞死の誘導機構は、プログラム細胞死に共通の仕組みがあり、転写・翻訳を介さずに細胞死シグナルの引き金を引くという動物の仕組みとは大きく異なっていることが明らかとなった。VND6-誘導木部分化実験系を用いてライブイメージをとることで、壁孔タイプの二次細胞壁パターン形成の分子機構を解析した。まず、二次細胞壁パターン形成に関与する新規微小管付随タンパク質MIDD1を単離し、この機能をVND6-誘導木部分化実験系を用いて解析した。MIDD1は2つのコイルドコイルドメインをもつだけのタンパク質であり、N端のコイルドコイルドメインで微小管と、C末のコイルドコイルドメインで将来の壁孔形成部分の細胞膜と結合した。このタンパク質は壁孔部分で微小管の+端に結合し、微小管を破壊することで、微小管不在領域をつくり、その結果に次壁沈着が起こらないことが明らかとなった。実際、このタンパク質を減少させると、壁孔のない二次細胞壁の形成が誘導された。維管束の継続的形成に必要なVAN3-ARF-GAPとVND7/GNOM-ARF-GEFの細胞内機能についてさらに解析した。その結果、VAN3-ARF-GAPとGNOM-ARF-GEFは一緒に、PIN1タンパク質などのエンドサイトーシスに関与していることが明らかとなった。
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