計画研究
これまでの光周性花成研究の進展から、イネHd3aの遺伝子産物がフロリゲンの分子的実体である可能性が示唆されてきた。そこで、Hd3a-GFP融合遺伝子をその発現部位である維管束特異的に発現するイネを用いて詳細なHd3a遺伝子の機能解析を行いイネのフロリゲンの実態に迫った。Hd3a mRNAは葉の維管束に存在するが茎頂ではほとんど検出されなかった。一方、維管束特異的に発現したHd3a-GFPタンパク質は、プロモーター活性のない茎頂において観察することができた。これらの実験の結果から、Hd3aタンパク質が維管束から茎頂へ移動し花成を促進するフロリゲンの分子的実体であることが示唆された。イネにおいては13のHd3a相同遺伝子が知られているがその機能はよく分かっていない。そこでHd3a遺伝子に最も相同性が高いRFT1/FT-L3遺伝子の機能を解析した。Hd3aとRFT1/FT-L3を同時に発現抑制すると開花できないことから、Hd3aとRFT1/FT-L3のみが短日条件下の花成に機能していることが分かった。さらにRFT1/FT-L3遺伝子座におけるクロマチン修飾の変化も観察され、イネの開花におけるRFT1/FT-L3遺伝子のエピジェネティックな制御が示唆された。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
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