本年度は2年度に当たり、本年度から参加した公募班員を含む班員に対する支援事業を進めた。 本支援班では、植物の発生研究にとって必須となってきた、全ゲノムに渡る網羅的遺伝子発現解析とタイリングアレイを利用した低分子RNAの発現、およびchip-on-chipによるゲノムのメチル化、アセチル化を網羅的に解析する方法を確立し、この技術を計画研究・公募研究の班員に提供することを目的としている。本年度は、昨年度確立した網羅的遺伝子解析法を用いて、班員の研究支援を行った。その結果、延ベ20件(7研究室)の解析依頼に応えて解析を行った。これらの解析から、発生過程での新規遺伝子の発見など、多くの成果があった。 また、本支援班では、蛍光標識したタンパク質の組織内・細胞内局在の解析の技術情報や、植物細胞内におけるタンパク質間相互作用解析のためのベクター、茎頂メリステムの細胞動態を解析するための材料などを整備し、計画研究・公募研究の班員に提供するとともに、必要な班員には共焦点レーザー顕微鏡の利用の便を図ることも目的としている。本年度は、BiFC法による茎頂メリステムにおけるタンパク質間相互作用の可視化をFTとFDをテストケースとしておこない、良好な結果を得た。2009年1月より、BiFC法によるタンパク質問相互作用解析のためのベクターの配布を開始した。これまでに3件(3研究室)の配布をおこなった。2008年11月には、連携研究者(奈良先端大・島本功教授)がオーガナイザーとなり、テクニカル・ワークショップ「視る生物学3」(奈良先端大植物支援事業との共催)をおこない、技術交流を図った。
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