計画研究
5年度目に当たる本年度は、公募班員を含む班員に対する支援事業を進めた。本支援班の一つ目の目的は、シロイヌナズナ23K-DNAチップ、ヒャクニチソウDNAチップ、シロイヌナズナタイリングアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行い、そのデータを提供することである。本年度は、6研究室から延べ34件の遺伝子解析の依頼があった。これらの依頼に応えて解析を行い、その遺伝子発現データを班員に戻した。これらの解析から、メリステム関連遺伝子の発現プロファイルの取得、側根形成を支配する遺伝子の発現パターンの解明、WOX4下流遺伝子の同定、篤部関連遺伝子の同定など、植物メリステム研究に寄与する多くの成果があがった。また、本支援班では、蛍光標識したタンパク質の組織内細胞内局在の解析の技術情報や、植物細胞内におけるタンパク質間相互作用解析のためのベクターなどを整備し班員に提供するとともに、必要な班員には共焦点レーザー顕微鏡の利用の便を図ることも目的としている。本年度は、分子量の小さい蛍光タグとしてテトラシステイン・タグ(ルミオ・タグ)の利用可能性を検討した。背景のシグナルが強いことから、植物における蛍光タグとしての利用には改善が必要なことがわかった。また、改良が加えられたimproved LOV(iLOV)ドメインの利用可能性の検討に着手した。以上に加え、BiFC法によるタンパク質間相互作用解析のためのベクターの配布1件と2件(2研究室)、の共焦点レーザー顕微鏡観察の技術支援をおこなった。2011年11月には、連携研究者である奈良先端大・島本功教授がオーガナイザーとなり、テクニカル・ワークショップ「プロテオミクスを生命科学に活かす10の方法プロテオミクスを生命科学に活かす10の方法」(奈良先端大・植物グローバル教育プロジェクトとの共催)をおこない、技術交流を図った。
2: おおむね順調に進展している
班員に対する支援事業、その基礎となる研究、テクニカルワークショップの開催(奈良先端大・植物グローバル教育プロジェクトとの共催)の3点に関して、着実に実績を重ねていると考えられるため。
平成24年度は最終年度に当たる。研究計画の変更はない。これまで通り、班員に対するシロイヌナズナDNAチップ、ヒャクニチソウDNAチップ、シロイヌ・ナズナタイリングアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析の支援、茎頂メリステムの細胞動態を解析するための材料提供と共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析の支援などをおこなう。また、技術ワークショップを奈良先端大の植物グローバル教育プロジェクトとの共催により開催し、班員に対する情報提供をおこなう。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (19件) 図書 (1件)
Plant & Cell Physiology
巻: Vol.53、No.2 ページ: 287-303
DOI:10.1093/pcp/pcs002
Plant Journal
巻: 69 ページ: 116-125
0.1111/j.1365-313X.2011.04776.x
巻: Vol.66、No.4 ページ: 629-641
DOI:10.1111/j.1365-313X.2011.04523.x
巻: 52 ページ: 14-29
10.1093/pcp/pcq157
巻: 52 ページ: 37-48
10.1093/pcp/pcq129
巻: 52 ページ: 112-124
10.1093/pcp/pcq178
Current Opinion in Plant Biology
巻: 14 ページ: 17-23
10.1016/j.pbi.2010.09.011
巻: 52 ページ: 618-628
10.1093/pcp/pcr022
巻: 52 ページ: 1095-1106
10.1093/pcp/pcr060
巻: 52 ページ: 1354-1364
10.1093/pcp/pcr081