計画研究
最終年度に当たる本年度は、公募班員を含む班員に対する支援事業をおこなった。本支援班の一つ目の目的は、シロイヌナズナ23K-DNAチップ、ヒャクニチソウDNAチップ、シロイヌナズナタイリングアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行い、そのデータを提供することである。本年度は、7研究室から延べ39件の遺伝子解析の依頼があった。これらの依頼に応えて解析を行い、その遺伝子発現データを班員に戻した。これらの解析から、新規オーキシン関連遺伝子の同定、膜交通関連遺伝子の発現プロファイルの取得、側根形成を支配する遺伝子の発現パターンの解明、維管束転写因子の下流遺伝子発現のプロファイル取得、感染におけるシグナル遺伝子の同定、ペプチド誘導性遺伝子の発見など、植物メリステム研究に寄与する多くの成果があがった。また、本支援班では、蛍光標識したタンパク質の組織内・細胞内局在の解析の技術情報や、植物細胞内におけるタンパク質問相互作用解析のためのベクターなどを整備し班員に提供するとともに、必要な班員には共焦点レーザー顕微鏡の利用の便を図ることも目的としている。本年度は、分子量の小さい蛍光タグとして改良が加えられたphiLOVドメインの利用可能性の検討を進め、蛍光強度・退光しにくさ等の点で、以前のiLOVより大幅に改善していることを確認した。FTタンパク質の輸送・動態の解析に利用を始めた。以上に加え、BiFC法によるタンパク質問相互作用解析のためのベクターの配布2件と1件(1研究室)の共焦点レーザー顕微鏡観察の技術支援をおこなった。2012年11月には、連携研究者である奈良先端大・島本功教授がオーガナイザーとなり、ワークショップ「明日の植物科学を探る-ゲノムから細胞機能の統合を目指して-」(奈良先端大・植物科学グローバルトップ教育推進プログラムとの共催)をおこない、多数の参加者を得て、技術交流を図った。
2: おおむね順調に進展している
班員の支援は予定通り行うことにより、それぞれ所期の成果が挙げることができ、本特定領域研究における研究の進展に寄与することができたため。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (18件) 図書 (1件)
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