計画研究
水環境によって葉の形態を大きく変えるミズハコベ (2020 Front Plant Sci.; 2021 Plant Cell)を含むアワゴケ属の種間で、気孔系譜における増幅分裂の有無が生態型と連関することを発見し、遺伝子発現変化がこの多様性をもたらしたという仮説を立てた(Doll et al. 2021 PNAS)。さらにシロイヌナズナ形質転換系統によってこれを検証し、妥当性を示した(2023 J. Exp. Bot.)。モノフィレアについては、無限成長する葉の基部にあるメリステムで、AN3とSTMが共発現する現象(2020 Front. Plant Sci.)や、植物ホルモンによる一葉性の制御の知見を得た(2022 Front. Plant Sci)。さらに通常の植物でSAMと葉原基を切り分けるCUC遺伝子群の発現を解析した結果、栄養成長期メリステムではCUCとSTMの発現が空間的に重複していることから、SAMがネオテニー現象を示していると解釈できた(2024 Sci. Rep.)。また複葉でありながら先端で繰り返し小葉を作る無限成長性のGuarea属については、その葉の頂端メリステムについて、SAMや小葉原基との間でRNAプロファイルを比較解析した。その結果、葉頂端メリステムではこれまで解析例のほとんどないサブクラスのKNOX I遺伝子が特異発現していることを見出した(2023 Sci. Rep.)。望月班との共同研究になる数理解析では、シロイヌナズナにおける萼片と花弁の形状の違いが、それぞれの原基における分裂組織の位置の違いだけで説明できることを示した(2022 Development)。また葉の輪郭形状と動的な細胞挙動の関係性について、数理的な解析をすることで、葉の先端が尾状に伸びる形態を実現する葉原基の動的条件を絞り込むことに成功した(投稿準備中)。さらに当初予想外の知見として、ヤブカラシの花が3回周期的に色を変える現象を見つけ、2回以上周期変化する初の例として報告した(2022 Sci. Rep)。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (44件) (うち国際学会 8件) 備考 (2件)
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