研究領域 | 人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 |
研究課題/領域番号 |
19H05691
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河原 達也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00234104)
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研究分担者 |
井上 昂治 京都大学, 情報学研究科, 助教 (10838684)
吉川 雄一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60418530)
飯尾 尊優 筑波大学, システム情報系, 助教 (70642958)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 対話知能 / 音声対話 / ロボット / マルチモーダル / 知能情報学 |
研究実績の概要 |
本研究では、特に高齢者とのコミュニケーションを想定して、対話を継続するためのメカニズムの解明と実現を目指している。相槌・頷き・表情などのモダリティを活用したり、複数の人間・ロボットで会話の場を形成することで、対話を維持することを考える。 京都大学の河原と井上は、これまで研究開発してきた傾聴対話システムを多人数に展開した。これは、共想法のように、多人数で順番に話をするのを傾聴する場を想定するものであるが、他の人間の聞き手に参与を促進する発話の生成を検討した。具体的には、感情分析の極性値に応じて、評価応答を生成する際に、別の聞き手の方に向けて、「いいですよね。」といった同意を求める。その聞き手が同様の反応を示すことで、会話の場として共感が醸成されることが期待される。また、話し手が話すことがなくなり沈黙した場合に、「さきほど、**の話題がありましたが、何か質問はありますか」といった問いかけを別の聞き手にすることで、会話が継続することが期待される。このような多人数傾聴を行うシステムを実装し、動作確認と予備的評価を行った。 大阪大学の吉川と筑波大学の飯尾は、複数のロボットによる対話において、質問事項を構造化した上で、各ロボットに分担させて質問を伴う話者交代をさせることによって、被傾聴感が高まる複数ロボット連携対話に取り組んだ。具体的には、話題毎にいくつかの質問を行いながら、別のロボットにより話題の切り替えを行うものである。このシステムにおいて、河原と井上らによって開発された傾聴機構も統合した。 2021年1月に、ららぽーとEXPOCITY内で実証実験を実施した。その結果、3体のロボットによるシステムの方が、1体および2体のシステムに比べて、対話継続時間が長い傾向となることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究自体やシステムの開発は順調に進んでいるが、コロナ禍において、被験者実験や対話実験があまりできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
傾聴・質問対話の高度化を進めるとともに、実証実験も実施する。
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