計画研究
本研究は、特に高齢者や精神障害者とのコミュニケーションを想定して、対話を継続するためのメカニズムの解明と実現を目指して行ってきた。京都大学のグループ(河原・井上ら)では、人の話を傾聴するシステム・ロボットを構成し、共感的な応答を生成する様々な方法の研究を行った。今年度は、ユーザの欲求や感情とともに、システムの欲求や感情を推論する機構を導入したり、バリデーションと呼ばれる相手の話を受け止めて肯定する技法の検討を行った。大阪大学のグループ(吉川ら)では、複数のロボット間で発話交替をしたり,過去に対話した人に言及したりするなど、自身が置かれている社会的状況を活用した戦略によって対話展開するロボットを開発した。また、両グループとA01班の熊崎教授らと共同で、2年以上にわたり、精神科(主に統合失調症)のデイケア利用者を対象として、ロボットを用いた対話実験を継続的に実施した。特に今年度は、複数人の人間と会話する枠組みに発展させた。これは、1名の人が話すのをもう1名とロボットが一緒に傾聴したり、ロボットが2名の人に質問・推薦を行うものである。この枠組みにより、対話感が醸成され、会話をより長く継続したり、人間関係の構築につながることができた。また、対話において他者の情報に言及することが、人間関係の構築に寄与することも示した。これらの成果から、ロボットによる対話が日常生活や公共の場で人々の感情や行動に積極的に作用し、そのウェルビーイングを向上させる有力な手段となり得ることが示唆される。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 12件、 招待講演 5件)
Advanced Robotics
巻: 38 ページ: 1~10
10.1080/01691864.2023.2301425
10.1080/01691864.2024.2326969
心理学評論
巻: 66(3) ページ: 242-253
巻: 37 ページ: 1382~1391
10.1080/01691864.2023.2257264
巻: 37 ページ: 1406~1418
10.1080/01691864.2023.2270577
巻: 38 ページ: 256~266
10.1080/01691864.2023.2285804
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Journal of Natural Language Processing
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10.5715/jnlp.30.1278
International Journal of Human-Computer Interaction
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Frontiers in Psychiatry
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10.3389/fpsyt.2023.1198433
人工知能
巻: 38 ページ: 730~737
10.11517/jjsai.38.5_730
巻: 38 ページ: 706~713
10.11517/jjsai.38.5_706