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2020 年度 実績報告書

身体変容への超適応のモデル化

計画研究

研究領域身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解
研究課題/領域番号 19H05728
研究機関東京工業大学

研究代表者

小池 康晴  東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (10302978)

研究分担者 舩戸 徹郎  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40512869)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2024-03-31
キーワード腱付け替え / 仮想手術 / 筋骨格系モデル / 筋シナジー / モデリング
研究実績の概要

人の身体変容に伴う運動機能の変化をVirtual Realityを用いて仮想的に実現する実験系の構築と力学シミュレーション環境の構築を行う。これにより、長期/短期の身体変容に伴う生体情報を得る実験系と身体変容の力学過程を扱う情報処理環境を整備し、身体変容後の生体情報の変化のメカニズムに迫るためのシステムを確立する。
「仮想手術」による人の身体変容実験の実現では、指の運動データに関して、筋活動および脳波からそれぞれ指の運動方向を識別するデコーダーを作成した。指の運動方向は、筋シナジーを用いることで、精度良く推定できることがわかった。また、脳活動と筋シナジーの関係も調べることで、身体変容の過程を、筋活動レベルおよび、脳活動レベルで解析できる可能性が示唆された。これにより、脳情報デコーディング技法を用いて解析するための準備が整った。
サルの筋再配置をシミュレートする筋骨格系モデルの構築では、サルの筋配置を元にした上肢の筋骨格系のモデルを計算機上に構築し、到達及び把持運動をシミュレートする計算環境を構築し、力学シミュレーションを行った。
また、実際の動物実験の結果を、腱付け替え前後の筋活動を筋シナジーを用いて解析することで、運動の回復過程での筋シナジーの変化を観測することができた。さらに、運動能力が回復していく過程で、付け替え前とは異なるシナジーが現れること、さらに学習が進むと、筋シナジーがさらに変化していく過程も捉えることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

動物実験により得られた筋再配置実験の前後の筋シナジーを解析し、数理モデルによる検証を行なった。その結果、付け替え前後での筋シナジーの変化を確認した。また、動物実験の結果を人でも検証可能にするため、既存のヒトの上肢筋骨格モデルによる運動のシミュレーションを行った。
さらに、指の運動中の筋活動、脳波を同時計測し、筋シナジーを用いて運動方向の推定を行った。その結果、筋シナジーから指の運動方向を推定することに成功した。また、そのときの脳波から信号源を計算し指の運動方向の識別に関連する部位を探索し、シナジーとの関係を調べた。
このように、実験計画通り、順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

計算機シミュレーションなどを行う環境が整い、生理実験のグループとの共同研究により、実験データも収集できている。今後は、実験データの解析とシミュレーションモデルの作成を進める。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] University Southern California(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University Southern California
  • [雑誌論文] When 90% of the variance is not enough: residual EMG from muscle synergy extraction influences task performance2020

    • 著者名/発表者名
      Barradas Victor R.、Kutch Jason J.、Kawase Toshihiro、Koike Yasuharu、Schweighofer Nicolas
    • 雑誌名

      Journal of Neurophysiology

      巻: 123 ページ: 2180~2190

    • DOI

      10.1152/jn.00472.2019

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Independent control of cocontraction and reciprocal activity during goal-directed reaching in muscle space2020

    • 著者名/発表者名
      Takagi Atsushi、Kambara Hiroyuki、Koike Yasuharu
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-020-79526-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Towards a Simplified Estimation of Muscle Activation Pattern from MRI and EMG Using Electrical Network and Graph Theory2020

    • 著者名/発表者名
      Piovanelli Enrico、Piovesan Davide、Shirafuji Shouhei、Su Becky、Yoshimura Natsue、Ogata Yousuke、Ota Jun
    • 雑誌名

      Sensors

      巻: 20 ページ: 724~724

    • DOI

      10.3390/s20030724

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 歩行の予期的動作の解明のためのラットのVR実験環境の構築2020

    • 著者名/発表者名
      三ツ木 知愛, 舩戸 徹郎, 小松 拓実, 酒井 隆太郎, 鴻巣 暁, 柳原 大
    • 学会等名
      第32回自律分散システム・シンポジウム
  • [学会発表] 予測可能な傾斜外乱に対するラットの姿勢動作学習の解析2020

    • 著者名/発表者名
      藤田 章寛, 鴻巣 暁, 舩戸 徹郎, 柳原 大
    • 学会等名
      第32回自律分散システム・シンポジウム
  • [学会発表] Design Isometric Force Rotating Task for EMG Normalization of Stroke Patients,2020

    • 著者名/発表者名
      Cho Woorim, Nicolas Schweighofer, Barradas Victor, Yasuharu Koike
    • 学会等名
      ISEK XXIII Virtual Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] Assessment of event-related potential of independent components for intended direction classification2020

    • 著者名/発表者名
      Hyeonseok Kim, Natsue Yoshimura, Yasuharu Koike
    • 学会等名
      IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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