マウスES細胞を用いて、遺伝子発現を制御する転写因子ネットワーク活性が、細胞分裂を経て継承される機構を解析した。repli-ATAC-seq法によりS期新生鎖への転写因子結合解析を行い、DNA 複製後の転写ネットワーク活性再構築には、KLF2/4/5による遠位エンハンサー領域の活性化と、その結果としての遺伝子発現変化に伴うプロモーター領域のアクセシビリティ変化が重要な役割を果たしていることが示唆された。また、新規M期染色体結合転写因子としてDppa2を同定し、これがPCGF6-PRC1ポリコーム群複合体と拮抗して標的遺伝子の新規メチル化を制御していることを明らかにした。
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