本研究ではコモンマーモセットを用いて全能性獲得と初期胚発生の理解に向けた新規発生工学技術構築を目指した。まず受精卵クローン胚を作製し、産仔を得ることができたため、マーモセット体細胞核移植技術開発に進んだ。阻害剤の条件検討により胚盤胞獲得率、胚の品質が上昇し、ES細胞樹立に成功した。またキメラ胚作製では、安定的にホスト細胞に生着するICM移植条件を見出した。さらにマーモセット胚の疑似着床胚培養法を確立し、カーネギーステージ6まで体外で胚発生することが明らかとなった。本胚培養法により胚の発生運命を変更可能か検討し、MEK阻害剤処理の作用時間により胚の接着能力が変化することを見出した。
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