計画研究
本研究は、酸化物セラミックス中の“機能コア”により特殊なポテンシャル場において発現する特性を解明するとともに、その情報にもとづき耐熱・耐環境性に優れるセラミックスの新機能創出や革新的プロセス開発を行うことを目的とする。本年度の主な実施内容を以下に示す。高温酸素ポテンシャル勾配下(dμO):高温dμO下に曝したアルミナ双晶膜に対して、粒界を介した物質移動と粒界コア構造の関係を評価・解析した。その結果、OとAlのdμO方向の移動は、移動方向に位置する粒界面上の振動振幅の小さい原子サイトが移動障壁になることが示唆された。また、dμO下において高PO2表面側を乾燥から加湿にすることで、OとAlの粒界を介した移動が共に促進されたのは、粒界コア構造内の振動振幅大のOに隣接するHの移動が関与した可能性がある。高化学ポテンシャル溶媒下:高化学ポテンシャル溶媒環境において合成する酸化物ナノ粒子に関し,機能コアとなる添加イオンに関する解析を行った。超臨界水熱法により高純度のY2O3安定化ZrO2を合成するには、アルカリ源として揮発性のpH調整剤や、接液部をアルカリへの耐食性の高いTiとすることが有効であることがわかった。高電磁場: 様々なセラミックス多結晶を対象に、高電磁場下における点欠陥導入と物質輸送の描像を得た。例えばXPSによる高電磁場処理試料の電子状態計測の結果、交流ないし直流高電場下で高速焼結されたY2O3緻密体において、Y3d軌道束縛エネルギーが低下していた。これはY周囲の電子密度の増加、すなわち正に帯電した酸素空孔の濃度上昇を示している。すなわち高電磁場下で非平衡に導入された点欠陥こそがこの機能コアの本質であり、この知見はこれまでの実験結果とも合致する。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (46件) (うち国際学会 19件、 招待講演 6件) 備考 (2件)
Journal of the European Ceramic Society
巻: 44 ページ: 1188~1201
10.1016/j.jeurceramsoc.2023.09.057
巻: 44 ページ: 1036~1043
10.1016/j.jeurceramsoc.2023.09.010
Scripta Materialia
巻: 246 ページ: 116088~116088
10.1016/j.scriptamat.2024.116088
Acta Materialia
巻: 252 ページ: 118927~118927
10.1016/j.actamat.2023.118927
Journal of the Ceramic Society of Japan
巻: 131 ページ: 632~639
10.2109/jcersj2.23073
巻: 131 ページ: 712~716
10.2109/jcersj2.23013
巻: 131 ページ: 708~711
10.2109/jcersj2.22162
巻: 131 ページ: 723~730
10.2109/jcersj2.23074
巻: 43 ページ: 3516~3523
10.1016/j.jeurceramsoc.2023.01.062
Physics of the Earth and Planetary Interiors
巻: 341 ページ: 107051~107051
10.1016/j.pepi.2023.107051
Materia Japan
巻: 61 ページ: 651~655
セラミックス
巻: 58 ページ: 833~839
http://www.ceramic.t.u-tokyo.ac.jp/
https://www.omu.ac.jp/eng/biomat/