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2023 年度 実績報告書

細菌個体レベルの情報処理の情報熱力学的な理解

計画研究

研究領域情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理
研究課題/領域番号 19H05797
研究機関大阪大学

研究代表者

石島 秋彦  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (80301216)

研究分担者 福岡 創  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (50447190)
蔡 栄淑  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教 (40378716)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2024-03-31
キーワード走化性
研究実績の概要

本研究は,バクテリア走化性に関わるすべてのタンパク質の挙動を1 細胞レベルでイメージングすることにある.
特に, 走化性に関わるCheYとCheZ双方に蛍光色素を導入しFRET計測を行った.その結果,セリンなどの誘因物質投与後にFRET効率が下がり,数十秒後にFRET効率が復活した.これは適応現象を観察したことになる.今まで使ってきた大腸菌は複数の受容体が混在しているWildタイプを用いてきた.しかし,セリンに応答する受容体は,Tsrという受容体のみである.この受容体の混在とセリン応答に対する感度との関係を調べた.その結果,予想とは逆にTsr単体ではセリン感受性が減少した.これは受容体ファミリーが混在した状況の方が,セリンを含めてより感度が上昇するということになる.現在,Tsr単体にあえて他の受容体を混在させることでその応答を調べている.
また,適応現象に必要なCheBに蛍光標識を行い,細胞極への局在状況を計測した.イソロイシンなどの忌避物質投与後の極の蛍光強度,持続時間は,同じ条件においても実験結果がかなりばらつくことがわかり,その原因について検討した.その対策として,個々の大腸菌の応答を調べるのではなく,系全体の複数の菌の応答を同時に計測することによって実験誤差を減少させたときの応答を計測した.この系では蛍光とモーターの回転を同時に計測することはできないが,100個単位の大腸菌の応答を同時に計測・解析することが可能となる.その結果,個々の計測に比べて明らかにばらつきが減少した.このことは,実験の環境,季節,気温,湿度,研究者の体調によってデータがばらついていたことをしめす.しかし,まだ有意なばらつきは存在する.現在,このばらつきが大腸菌固有のものなのか,実験条件(菌の体積,長さ,濃度などなど)なのかを検討しているところである.

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (15件)

  • [学会発表] 大腸菌べん毛モーターの回転ゆらぎ2024

    • 著者名/発表者名
      内田 裕美子
    • 学会等名
      生体運動研究合同班会議2024
  • [学会発表] CheB-GFPの1細胞動態計測による大腸菌セリン受容体Tsrの忌避刺激認識および情報伝達の解析2024

    • 著者名/発表者名
      福岡 創
    • 学会等名
      生体運動研究合同班会議2024
  • [学会発表] 大腸菌走化性キメラ受容体での忌避応答2024

    • 著者名/発表者名
      内田 裕美子
    • 学会等名
      第8回領域会議・終了報告会
  • [学会発表] 大腸菌べん毛の回転方向に依存した揺らぎとフックの関係2024

    • 著者名/発表者名
      福岡 創
    • 学会等名
      2023年度べん毛研究交流会
  • [学会発表] 大腸菌走化性キメラ受容体での忌避応答2024

    • 著者名/発表者名
      内田 裕美子
    • 学会等名
      2023年度べん毛研究交流会
  • [学会発表] 計画班成果発表2024

    • 著者名/発表者名
      石島 秋彦
    • 学会等名
      第8回領域会議・終了報告会
  • [学会発表] 大腸菌べん毛の回転方向に依存した回転ゆらぎの解析2024

    • 著者名/発表者名
      福岡 創
    • 学会等名
      第8回領域会議・終了報告会
  • [学会発表] 適応現象解明のための走化性タンパク質の細胞内動態とべん毛モーター回転の同時計測2023

    • 著者名/発表者名
      内田 裕美子
    • 学会等名
      第7回領域会議
  • [学会発表] デコンボリューション法を用いた大腸菌走化性受容体の三次元観察2023

    • 著者名/発表者名
      内田 裕美子
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] 大腸菌単一細胞における走化性応答時の走化性タンパク質の細胞内動態の観察2023

    • 著者名/発表者名
      福岡 創
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] 適応を担う2種類の酵素であるCheRとCheBの細胞内動態の比較2023

    • 著者名/発表者名
      大島 健登
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] 回転方向に依存した大腸菌べん毛モーターの回転ゆらぎ2023

    • 著者名/発表者名
      宮本 大聖
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] Exploration of isoleucine recognition sites in chemoreceptor using chimeric receptors2023

    • 著者名/発表者名
      河原 進之介
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] 同種の受容体からなる受容体アレイがもたらす短い適応時間2023

    • 著者名/発表者名
      植田 早紀
    • 学会等名
      第61回日本生物物理学会年会
  • [学会発表] 大腸菌走化性タンパク質の細胞内動態と細胞応答の相関関係2023

    • 著者名/発表者名
      福岡 創
    • 学会等名
      第7回領域会議

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公開日: 2024-12-25  

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