計画研究
CaF2蛍光熱量検出器のデータ分析を進め、CaF2結晶内部の226Ra放射性不純物を起源とする222Rnを親核とした連続α崩壊事象の選定条件を課した事象の観測波高値の比較を怠った。その結果、同一場所で起きたα崩壊の信号波高比は高い精度で一致しており、場所の特定を行った事象では、エネルギー分解能の目標値(Q値でFWHM0.5%)を実現できた。円筒形のCaF2検出器の両端から熱信号(超伝導MMC熱センサーの出力でエネルギー信号)を取得し、熱信号波高の位置依存性を複数センサーによる信号読み出しで解消するためのCaF2蛍光熱量計検出器デザインを行い、検出器を実現するための希釈冷凍機内部の改造を完了できた。高磁場共振空洞の開発研究においては高いQ値の空胴の開発成果を活かし,超高純度銅空胴を用いて,2024年1月にアクシオン探索実験のエンジニアリングランに成功し,当初を上回る成果を得たAl-KIDの開発を進め、当初の計画目標である10eV信号を検出できることを準粒子数変化の測定から確認することに成功した。KIDをCaF2基板に実装する方法を確立して、その時の詳細な性能評価をまとめて論文として出版した。多様な検出器開発として、94Zrからのダブルベータ崩壊の検出を目的ととしたZrO2基板上へのKID実装、AISTの開発するγ線TESを用いて錫の二重電子捕獲を探索するアイディアを提唱し、γ線TESのcalibrationデータを用いて実際に半減期の上限値を与えることに成功した。KEK QUPやTESSERACTと協力して、神岡に希釈冷凍機を設置しHeRALDモジュールを動かす準備を始めた。希釈冷凍機設置場所での環境γ線と中性子測定を行い、それをもとにした詳細なバックグラウンド評価を行った。神岡でのHeRALDモジュールを動かした場合の感度評価をまとめ、物理学会で報告した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 14件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
PoS TAUP2023
巻: 2023 ページ: 267
10.22323/1.441.0267
Journal of Instrumentation
巻: 19 ページ: P03013
10.1088/1748-0221/19/03/P03013
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: 10 ページ: 103H02
10.1093/ptep/ptad124