研究領域 | 地下から解き明かす宇宙の歴史と物質の進化 |
研究課題/領域番号 |
19H05810
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱口 幸一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80431899)
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研究分担者 |
松本 重貴 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 教授 (00451625)
柳田 勉 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 客員上級科学研究員 (10125677)
Melia Thomas 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 准教授 (30814909)
長峯 健太郎 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (50714086)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 標準模型を超える物理 / 暗黒物質 / 宇宙の物質反物質非対称性 / ニュートリノ質量の起源 |
研究実績の概要 |
濱口はいくつかの暗黒物質模型についての中性子星捕獲率を解析し、中性子星表面温度観測による探索によりこれらの暗黒物質模型を検証することが可能であることを明らかにした。また濱口は、ILC 実験におけるミューオ ン異常磁気能率への超対称性粒子の寄与の再構成に関する研究を行った。 松本は軽い暗黒物質模型において導入される媒介粒子について、その種類(スピン等)により様々な標準模型粒子に崩壊し、それが加速器における探査感度の評価に重要な役割を果たす。可能な崩壊モードをリスト化し、現実的なシミュレーションを行うことで、LHC加速器実験等における探査感度の評価を定量的に行った。 長峯は宇宙論的銀河形成シミュレーションにおける超新星フィードバックモデルをさらに発展させ、初期宇宙における大質量星の効果をより露わに取り入れた。また、EMPRESSプロジェクトにおいては、レプトン非対称性やハッブルテンションとも関連のあるヘリウムの原始組成量を近傍の矮小銀河から測定した。 Melia developed a novel theory of dark matter based on QCD-like theories, and studied the viable parameter space and possible direct detection signals. Developed Hilbert series techniques to analyse electroweak effective field theory, and to renormalize effective field theories at high orders. 柳田は、最近発見されたcosmic birefringence がstring理論由来のelectroweak axionで見事に説明できることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文リストや学会発表リストにあるように、代表者・分担者ともに順調に研究業績をあげている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、本計画研究の目的である (1)宇宙の物質反物質非対称性の起源およびニュートリノ質量生成機構の解明、 (2)暗黒物質の正体・起源の解明、 (3) (1), (2) を含む新たな素粒子模型・宇宙シナリオの構築、のため、代表者・分担者・博士研究員によって、インフレーションから物質反物質非対称性の生成、暗黒物質生成、宇宙の構造形成までの研究を進めていく。本計画研究(E01)共催の理論ミニワークショップ(New Physics Forum)の開催も検討する。
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