計画研究
今年度は自然界で見出だされたAlCuFe正20面体準結晶及びAlNiFe正10角形準結晶を国際共同研究として放射光X線回折により構造評価するとともに、主に近似結晶の構造解析を進めた。Al-Pd-Mn-Fe系合金における高次近似結晶(P40相)の単結晶育成、および得られた単結晶を用いた結晶構造解析を完了した。また、前年度までに明らかになっていたAl-Pd-Mo-Fe系高次近似結晶の約750℃における構造相転移について、低温相が空間群P-3をもつ新種の結晶構造を持つことを、単結晶法による構造解析から明らかにした。新たにAl-Pd-W-Fe系合金を用いた高次近似結晶および正20面体準結晶相の創出に成功した。この高次近似結晶において、Al-Pd-Mo-Fe系の場合と類似した構造相転移が観察されたため、高温相および低温相の両方の単結晶育成を行い、単結晶X線回折データを取得した。中性子散乱を用いてAl-Pd-Mn準結晶の低温領域、低波数領域におけるフェイゾンの精密測定を行った。また、Au-Al-Yb準結晶・近似結晶における臨界磁気揺らぎ、長距離磁気秩序を示すAu70Al16Tb14近似結晶における磁気励起の測定を行った。さらに、放射光コヒーレントX線回折を用いてイメージングとダイナミクスの観察を進めることにより、Al-Cu-Ru系正20面体準結晶・近似結晶について、高温で発生するメゾスケール構造揺らぎを捉えることに成功した。粉末回折データから結晶相の同定をベイズ推論を用いて客観的かつ自動的に候補を絞り込む方法論を構築した。ハイパーマテリアルの可視化については、6次元ないし5次元空間上の準結晶構造およびその近似結晶を統一的に扱う機能を実装し、高次元の対称性情報と紐づけたまま、結晶外形、原子配列、磁気対称性、格子面、補空間方向を可視化するソフトウェアを一般公開した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 2件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (47件) (うち国際学会 13件、 招待講演 6件)
MATERIALS TRANSACTIONS
巻: 65 ページ: 18~26
10.2320/matertrans.MT-M2023128
Israel Journal of Chemistry
巻: - ページ: -
10.1002/ijch.202300130
Science and Technology of Advanced Materials: Methods
巻: 4 ページ: 2300698-1~20
10.1080/27660400.2023.2300698
Physical Review Materials
巻: 8 ページ: 024602-1~6
10.1103/PhysRevMaterials.8.024602
巻: 7 ページ: 054412-1~10
10.1103/PhysRevMaterials.7.054412
Physical Review B
巻: 107 ページ: 184110-1~10
10.1103/PhysRevB.107.184110
Acta Crystallographica Section E Crystallographic Communications
巻: 79 ページ: 946~951
10.1107/S2056989023008393
Journal of Alloys and Compounds
巻: 954 ページ: 170151~170151
10.1016/j.jallcom.2023.170151
巻: 64 ページ: 2440~2444
10.2320/matertrans.mt-mh2022010
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 62 ページ: SM1022~SM1022
10.35848/1347-4065/ace832
Journal of Physics: Condensed Matter
巻: 36 ページ: 125801-1~16
10.1088/1361-648X/ad12fc