計画研究
本研究課題では、始原生殖細胞(PGC)の発生制御メカニズムを解明するために、これまでに同定した2種類のPGC発生制御遺伝子候補のノックアウトマウスを作成し、表現型の解析を行った。このうちのREST遺伝子については、細胞死を抑制する働きがあることが知られているMek5遺伝子の発現誘導を介して、PGCの生存を促進する機能を持つことが明らかになった。またもう一つのLarp7遺伝子は、細胞周期の進行を抑制するCDK阻害因子の一つであるp15の発現を抑制することにより、PGCの細胞周期の進行を促進する働きがあることがわかった。さらにPGCで特異的に発現するmil1/fragilis遺伝子などでは、発現制御領域のDNA脱メチル化が発現上昇に関わるのに対して、PGCでは発現しないHox遺伝子などでは、DNAの脱メチル化は起こっているが、転写を抑制することが知られているヒストンH3K27のメチル化により、発現が抑制されている可能性が示唆された。またES細胞を使ったsiRNAスクリーニングを行い、ノックダウンによりPGC特異的遺伝子の発現上昇を引き起こす5種類の遺伝子を同定し、その一つのMaxは、転写を抑制するヒストンH3K9のメチル化酵素と相互作用し、そのメチル化を介して、PGC特異的遺伝子群の発現を抑制していることが明らかになった。一方、Vasa発現可視化レポーター遺伝子を導入したカニクイザルiPS細胞からのinvitro生殖細胞分化系を検討し、マウスiPS細胞と同様の条件における始原生殖細胞の分化とこれに続く卵子様細胞分化を確認した
(抄録なし)
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件)
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