計画研究
特定領域研究
生殖細胞は個体発生能を発揮できる唯一の細胞で、こういった性質を支える分子基盤を解明することは、基礎生物学的な大きな興味であるとともに、医学、農学等の様々な分野での応用の可能性を拓く。生殖細胞の特性を理解する上でもっとも重要なアプローチの一つとして、この細胞が胚発生過程の初期段階で体細胞と分岐して分化運命の決定を受け、さらに配偶子に向かって分化するメカニズムが挙げられる。始原生殖細胞(PGC)形成には従来同定されている分子に加えて、様々な分子カスケードが同時に作用することが予想され、PGCの形成・分化を制御する分子機構の全体像を解明するためには、多角的な戦略による制御分子の同定が必要である。そこで、以下の3つの研究を計画した。(1)ES細胞を用いたsiRNAライブラリースクリーニングにより、機能阻害によりPGCへの分化が誘導される遺伝子を同定する。さらにES細胞及びiPS細胞のin vitro PGC分化培養系から、各分化段階の特徴を示すPGC株を樹立し、それらの細胞特性の分子的解明を行う。(2)PGCの分化決定時に発現が誘導される遺伝子を、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーションによりスクリーニングし、遺伝子改変マウスを作成して機能解析を行う。(3)形成期からPGCで特異的に発現するmil-1を含む、いくつかのPGC特異的な遺伝子の発現制御領域には200bpほどの保存配列が存在することに着目し、この領域のDNAの脱メチル化が特異的な発現誘導に関わる可能性を明らかにする。
すべて 2010 2009 2008
すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (5件)
Mol.Reprod.Dev. 77
ページ: 802-811
Dev.Growth Differ 51
ページ: 657-667
Dev.Growth Differ. 51
ページ: 567-584
Nature Rev.Genet. 9
ページ: 129-140
Dev.Biol. 317
ページ: 576-584