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2009 年度 実績報告書

卵および初期胚における遺伝子発現リプログラミングの調節機構

計画研究

研究領域生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク
研究課題/領域番号 20062002
研究機関東京大学

研究代表者

青木 不学  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20175160)

キーワード遺伝子発現 / リプログラミング / 初期胚 / 卵 / 全能性
研究概要

受精前後における遺伝子発現リプログラミング機構の解明に向けて、まず受精後の初期胚において新たに転写を開始する遺伝子を同定し、その発現制御機構を明らかにすることを目標とした。前年度には、新生mRNA単離法により受精直後の胚で新たに発現する遺伝子を同定したが、本年度はその発現制御機構を明らかにすることを目的とした実験を行った。
まず、個々の遺伝子発現調節を調べる前に、受精前における全体の遺伝子発現停止と受精後における発現開始のメカニズム解明を試みた。すなわち、転写に必須の因子であるRNA polymerease II (pol-II)に着目してその発現およびリン酸化状態の解析を行った結果、pol-IIは受精前にも発現し核に局在しているが、DNAに結合していないことが明らかとなった。また、受精後の遺伝子発現開始時に再びDNAに結合することが分かり、Poi-IIのDNAへの結合が変化することで、受精前後の全体の遺伝子発現の停止および活性化が調節されていることが示唆された。
次に、受精後に特異的に発現するtkt11の転写開始点上流域をレポーター遺伝子に繋げたプラスミドを受精前後の卵に顕微授精を行うことで、その発現調節を調べたところ、上流域500bpのみで受精前の卵では発現が見られず受精後に始めて発現するという調節が可能であることが分かった。今後さらに制御領域を絞り込むと共に、他の受精後特異的に発現する遺伝子の制御領域を用いた実験を行うことで、リプログラミングに伴う受精後最初の遺伝子発現調節機構が明らかになっていくものと期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Role of the nucleoplasmin 2 C-terminal domain in the formation of nucleolus-like bodies in mouse oocytes2010

    • 著者名/発表者名
      Inoue, A
    • 雑誌名

      FASEB J 24

      ページ: 485-494

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of c-MYC in nuclear speckles during mouse oocyte growth and preimplantation development2009

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, T
    • 雑誌名

      J.Reprod.Dev. 55

      ページ: 491-495

    • 査読あり
  • [学会発表] 受精前後におけるゲノム再プログラム化機構-ヒストン修飾および変異体置換の関与-2009

    • 著者名/発表者名
      青木不学
    • 学会等名
      第56回日本実験動物学会
    • 発表場所
      大宮
    • 年月日
      2009-05-14
  • [学会発表] マウス初期胚における遺伝子発現調節機構2009

    • 著者名/発表者名
      青木不学
    • 学会等名
      第50回日本哺乳動物卵子学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-05-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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