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2008 年度 実績報告書

マウス初期胚発生におけるエピゲノム形成と細胞分化

計画研究

研究領域生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク
研究課題/領域番号 20062003
研究機関東京大学

研究代表者

田中 智  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (90242164)

研究分担者 大鐘 潤  東京大学, 大学院農・学生命科学研究科, 助教 (50313078)
キーワードDNAメチル化 / マウス / 初期胚 / 内部細胞塊 / 栄養芽層 / 幹細胞
研究概要

我々は、ES細胞とTS細胞でメチル化状態に顕著な差がある領域(T-DMR)をおよそ20カ所同定している。これらのDNAメチル化の違いが、それぞれの幹細胞が由来する内部細胞塊(ICM)と栄養外胚葉(TE)においても見られるのかどうかを検討することがひとつの目的である。トリプシン/パンクレアチン溶液を用いることで、胚盤胞の解離条件を設定することに成功し、ICMとTEを単離する手法を確立した。100-200個の細胞を用いたDNAメチル化解析法の検討が進行中である。また、ゲノムワイドなDNAメチル化解析のために、メチル化感受性制限酵素処理による切断断片のPCRによる増幅と、DNAタイリングアレイとを組み合わせた新たな手法(D-REAM法)も確立した。げっ歯類が持つプロラクチンファミリー遺伝子の多くは胎盤で発現し、妊娠の維持などに関わるが、D-REAM法により、その全ての遺伝子が胎盤で低メチル化となるT-DMRを有することが明らかになった。さらに、分化前後のTS細胞の比較では細胞周期のM期進行に関わる遺伝子に多くT-DMRが見つかり、これらの遺伝子のDNAメチル化による制御機構の存在が示唆された。以上に加え、ES/TS細胞でともに未分化時に強く発現するLin28に注目し、そのES細胞における機能解析を行った。マウスはLin28SAとLin28Bの配列のよく似た遺伝子を持つ。shRNAを用いたノックダウン解析により、予想外に、Lin28A発現レベルの低下がOct4発現の上昇を誘起することがわかった。-方、Lin28Bの発現低下はOct4発現の低下をおこし、これらの因子がOct4の発現に対し逆の作用を持つことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] DNA methylation profile of tissuedependent and differentially methylated regions (T-DMRs) in mouse promoter regions demonstrating tissue-specific2008

    • 著者名/発表者名
      Shintaro Yagi et.al.
    • 雑誌名

      Genome Research 18

      ページ: 1969-1978

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isolation and manipulation of mouse trophoblast stem cells2008

    • 著者名/発表者名
      Emi Himeno et.al.
    • 雑誌名

      Current Protocols in Stem Cell Biology

      ページ: 1E.4.1-1E.4.27

  • [学会発表] マウスES細胞でのLin28機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      姫野絵美
    • 学会等名
      第146回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      宮崎
    • 年月日
      20080924-26
  • [学会発表] 栄養膜幹細胞の分化に伴うDNAメチル化プロフィール形成2008

    • 著者名/発表者名
      吉岡 徹哉,他
    • 学会等名
      第101回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20080918-20
  • [学会発表] マウスプロラクチン遺伝子ファミリーのDNAメチル化解析2008

    • 著者名/発表者名
      早川 晃司,他
    • 学会等名
      第101回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20080918-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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