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2008 年度 実績報告書

精子幹細胞における品質管理機構の解析

計画研究

研究領域生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク
研究課題/領域番号 20062006
研究機関京都大学

研究代表者

篠原 隆司  京都大学, 医学研究科, 教授 (30322770)

キーワード精子形成 / 幹細胞 / 移植
研究概要

研究代表者らは2004年にマウスの新生児の精巣から、奇形腫形成能を持つ多能性幹細胞(mGS細胞)の樹立を報告した。本年の研究では第一に、精子幹細胞株GS細胞ヘレンチウイルスによる発現ベクターを導入し、精子幹細胞からの奇形腫誘導に関わる遺伝子のスクリーニングを行った。Ras Myc, Srcなど旧知のoncogeneや、Oct-4とNanog, Sox-2など多能性制御の関連遺伝子群などを調べたところ、Rasの関与を見出した。Rasのdominant negative体をGS細胞に導入したところ、GS細胞の自己複製増殖は著しく阻害された。またRasの強制発現によりGS細胞はGDNF非依存性に長期に増殖した。4ヶ月以上培養した細胞は野生型GS細胞と同様精子幹細胞マーカーの発現を維持し、精巣内に移植すると精子形成像が見られ、精子幹細胞としての活性維持が示唆された。さらに、試験管内では4ヶ月の培養期間中特にGS細胞の形態等に変化は見られなかったが、移植後の精巣においては精子形成像の他に、一部でseminomaの形成が認められた。また、研究代表者らエピジェネテイック調節機構の破綻が奇形腫への変化を誘導するのではないかと考え、DNA methyltransferase(DNMT)のGS細胞における遺伝子操作を行った。GS細胞においてDNMT1をノックダウンすとアポトーシスが認められた一方、DNMT3a/DNMT3bを阻害するとSineB1反復配列に低メチル化が認められ、DNMT3Lを過剰発現するとmajor/minor satellite sequenceに高メチル化が認められた。しかしDNMT3b阻害細胞とDNMT3L過剰発現細胞はともに正常と変わらず試験管内で増殖し、精巣内に移植ずると奇形腫の形成など多能性の獲得を示唆する像は認められなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Heritable imprinting defect caused by epigenetic abnormalities in mouse spermatogonial Stem cells2009

    • 著者名/発表者名
      Lee J., et.al.
    • 雑誌名

      Biol. Reprod 80

      ページ: 518-27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Production of transgenic rats following lentiviral transduction and xenogeneic transplantation of spermatogonial stem cells2008

    • 著者名/発表者名
      Kanatsu-Shinohara M., et.al.
    • 雑誌名

      Biol. Reprod 79

      ページ: 1121-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Homing of mouse spermatogonial stem cells to germline niche depends on β 1-integrin2008

    • 著者名/発表者名
      Kanatsu-Shinohara M., et.al.
    • 雑誌名

      Cell Stem Cell 3

      ページ: 533-42

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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