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2011 年度 実績報告書

ゲノム刷込みによる生殖系列の機能調節と発生制御

計画研究

研究領域生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク
研究課題/領域番号 20062009
研究機関東京農業大学

研究代表者

河野 友宏  東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (80153485)

キーワードゲノムインプリンティング / 単為発生 / BACクローン / TGマウス / メチル基転移酵素
研究概要

本特定領域研究では生殖細胞系列において行われるゲノム刷込みおよびそれによる個体発生制御機構の全貌解明に取り組くんでいる。
23年度は、1)マウス12番染色体インプリント領域における非タンパクコードRNA群(miRNAsおよびsnoRNAs)が個体発生に及ぼす影響を実証するために、2種類のBACクローンを用いてmiRNAsおよびsnoRNAsを過剰発現するTGマウスを合計4ライン作出することに成功した。現在、それぞれの系統樹立を目指し交配を継続している。すでに、致死性を伴う表現型が観察されているものもあり、データを集積している。2)マウス12番染色体インプリント領域における非コードRNAsの腫瘍形成抑制機能について検証するため、Gt12欠損マウス胎仔の腎皮下移植を実施して腫瘍形成能を比較検討した。その結果、Gt12欠損マウス群で腫瘍が肥大化する傾向にあることを見出した。病理組織解析により、試験区の腫瘍では外胚葉、中胚葉および内胚葉系組織への分化も顕著なことが分かった。3)次世代シークエンサーを用いた卵子および精子のメチル化マップの作成に成功した。雌雄ゲノム間でメチル化状態の異なる領域を多数検出した。4)雌性生殖細胞形成過程におけるメチル化インプリントの調節システムの解明を進めるため、メチル基転移酵素遺伝子Dnmt3LおよびDnmt3aを非成長期卵母細胞から特異的に発現するTGマウスの作出に成功した。現在、これらの卵子におけるメチル化状態および受精後の発生能について慎重にデータを蓄積している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

BacTgマウスおよびコンディショナルTGマウスの作出にも成功し、当初の計画を上回る成果を得ることが十分可能となった。

今後の研究の推進方策

特に最終年度は作出されたBacTgマウスおよびコンディショナルTGマウスの表現型解析を積極的に進める。
同時にそれらの分子生物学的背景についても解析を進める論文発表に繋げたい。これらの解析を通じて卵子形成過程におけるメチル化機構の人為的制御およびmiRNAの作用についての新知見を提供したい。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Contribution of intragenic DNA methylation in mouse gametic DNA methylomes to establish oocyte-specific heritable marks2012

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, Hisato
    • 雑誌名

      PLoS GENETICS

      巻: 8 ページ: e1002440

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ゲノムインプリンティングと個体発生制御2012

    • 著者名/発表者名
      高橋望
    • 雑誌名

      細胞工学

      巻: 31 ページ: 464-469

  • [雑誌論文] Epigenetically immature oocytes lead to loss of imprinting during embryogenesis2011

    • 著者名/発表者名
      Obata, Yayoi
    • 雑誌名

      The Journal of Reproduction and Development

      巻: 57 ページ: 327-334

    • DOI

      10.1262

    • 査読あり
  • [学会発表] 生殖細胞形成過程におけるインプリント遺伝子のDNAメチル化機構2011

    • 著者名/発表者名
      尾畑やよい
    • 学会等名
      特定領域研究第4回シンポジウム
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2011-11-17
  • [学会発表] マウス雌核発生胚の胚盤胞期胚における内部細胞塊および栄養外胚葉における網羅的遺伝子発現解析2011

    • 著者名/発表者名
      小川英彦
    • 学会等名
      第104回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      いわて県民情報交流センター・アイーナ
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] DNMT3A2/DNMT3Lの異所的発現がマウスインプリント遺伝子に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      原聡史
    • 学会等名
      第104回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      いわて県民情報交流センター・アイーナ
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 核移植による栄養膜幹細胞ゲノムの全能性再獲得能の評価2011

    • 著者名/発表者名
      渡邊紘之
    • 学会等名
      第52回日本哺乳動物卵子学会
    • 発表場所
      国際医療福祉大学本校
    • 年月日
      2011-05-21
  • [学会発表] マウス胚盤胞期胚の内部細胞塊と栄養外胚葉における網羅的遺伝子発現解析2011

    • 著者名/発表者名
      小川英彦
    • 学会等名
      第52回日本哺乳動物卵子学会
    • 発表場所
      国際医療福祉大学本校
    • 年月日
      2011-05-21
  • [図書] 卵子学2011

    • 著者名/発表者名
      河野友宏
    • 総ページ数
      110-121
    • 出版者
      京都大学学術出版会

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公開日: 2013-06-26  

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