研究概要 |
1)Prdm14のES細胞の多能性維持における役割解明 平成24年度までの研究で、マウスES細胞がナイーブな多能性を維持するために、PRDM14が、FGFRシグナル経路に関与する分子群の発現を抑えES細胞分化のプライミングを防ぐこと、またDNMT3A,DNMT3B,DNMT3Lの発現を抑えES細胞がエピブラスト様のエピゲノムを獲得するのを防ぐこと、これら分子の発現抑制はPRC2と複合体を形成することにより行われることを証明し、論文として報告した(Yamaji et al.,Cell Stem Cell,12,368-382,(2013))。また、Blimp1-mVenusレポーターを有するPrdm14-/-ES細胞、Prdm14-/-胎児線維芽細胞由来iPS細胞を樹立し、in vitro生殖細胞形成過程、iPS組胞誘導過程におけるPrdm14の役割を詳細に解明する基盤を形成した。 2)生殖細胞形成能獲得におけるWNT3及びBMP4シグナルの作用機序解明 平成24年度までの研究で、我々が開発したin vitro生殖細胞誘導系を用いて、エピブラスト様細胞においてBlimp1とPrdm14が誘導されるには、BMP4とWNT3の両シグナルが必要かつ十分であること、Blimp1の高い発現とPrdm14の活性化にはそれらシグナルの下流で中胚葉プログラムが活性化されることが必須であることを証明し、Blimp1とPrdm14の活性化メカニズムを正確に解明するため、Smad1,beta-catenin,中胚葉因子によるChIP-seq実験を行った。
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