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2012 年度 実績報告書

核移植技術を用いた生殖系列の全能性獲得機構の解明

計画研究

研究領域生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク
研究課題/領域番号 20062012
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

小倉 淳郎  独立行政法人理化学研究所, 遺伝工学基盤技術室, 室長 (20194524)

研究分担者 幸田 尚  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (60211893)
研究期間 (年度) 2008-04-01 – 2013-03-31
キーワード核移植 / 生殖細胞 / 胚盤胞 / X染色体不活性化 / ゲノム再プログラム化 / マウス
研究概要

本計画研究は、生殖細胞の全能性獲得の機構こそが次世代にゲノムを伝える生殖細胞の本質であるとの認識をもとに、それがいつどのように生じるか、そしてその際にゲノム上にどのようなエピジェネティクス変化が起こっているかを明らかにする。昨年までに、Xist mRNAに対するRNA干渉法を用いて、雄の体細胞クローン胚の生存率が改善することを示し、着床前のXistの異所性発現が、着床後のクローン胚の発生に決定的な影響を与えていることを明らかにした。そこで、各発生段階の雌雄生殖細胞をドナーとして用いて核移植を行い、その再構築胚におけるXistの発現を観察し、刷込み型XCI成立機序について検討を行った。その結果、fully grown GV期卵子(直径約70μm)以外、すべての雌雄生殖細胞由来のクローン胚からXistが発現することが明らかになった。すなわち、Xistは4細胞期ころから胚性遺伝子の一つとして発現することが本来の設定(default)であり、卵子発育の最終段階でのみXistの発現を抑制するインプリントが入り、これが受精卵へ伝わると考えられる。この結果は、マウスに典型的に見られる刷込み型XCIが父方でなく、母方のインプリントで制御されるという説を支持する。また、これにより、以前報告した体細胞クローン胚における異所性Xist発現も説明できる。また、さらに胎盤由来細胞の核移植クローン胚は、異所性のXistを発現したことから、母方のインプリントは、胎盤側の細胞においても消去されることが示された。生殖細胞ゲノムが完全な全能性を獲得するためには、生殖細胞の発生初期からインプリントや体細胞記憶の消去が生じ、最終的に受精の段階で大規模な変換を受ける。これらのエピゲノムレベルの変化はは生殖細胞の発生段階に高い特異的があり、必ずしも成熟卵子がすべてを制御できるものではない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] RNAi-mediated knockdown of Xist does not rescue the impaired development of female cloned mouse embryos.2013

    • 著者名/発表者名
      Oikawa, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Reproduction and Development

      巻: (印刷中)

    • DOI

      10.1262/jrd.2012-195

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High osmolality vitrification : A new method for the simple and temperature-permissive cryopreservation of mouse embryos.2013

    • 著者名/発表者名
      Mochida, et al.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0049316

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Recent advancements in cloning by somatic cell nuclear transfer.2013

    • 著者名/発表者名
      Ogura, et al.
    • 雑誌名

      Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci

      巻: 368

    • DOI

      10.1098/rstb.2011.0329.

    • 査読あり
  • [学会発表] Nuclear transfer for the study of X chromosome inactivation in mice2012

    • 著者名/発表者名
      Atsuo Ogura
    • 学会等名
      Mouse Molecular Genetics
    • 発表場所
      Pacific Grove, CA, USA(招待講演)
    • 年月日
      2012-10-04
  • [図書] Cryopreservation and Distribution of Mouse Models:Challenges and Solutions2013

    • 著者名/発表者名
      Atsuo Ogura
    • 出版者
      Springer(印刷中)
  • [備考]

    • URL

      http://www.brc.riken.go.jp/lab/kougaku/

URL: 

公開日: 2014-07-16  

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