計画研究
前年度までの作業でさまざまな帝国・地域についての知識をメンバーの間で共有したのを受けて、当該年度は方法論的な議論をしたうえで、具体的なテーマに沿って研究を深めることに力を入れた。まず2010年4月24日の研究会「比較帝国論の方法を考える」では、班内外の論客を集めて、イギリス帝国史、ロシア帝国史、脱植民地史などの立場から、中心-周縁関係や国際関係、越境的現象などの比較の方法を議論した。7月10日の研究会では、イギリスの気鋭の比較史研究者アレクサンダー・モリソン氏を招き、イギリスの第一次アフガン戦争とロシア帝国のヒヴァ遠征の失敗例から両帝国エリートの思考様式を比較する報告を聞いた。10月29日の日本国際政治学会大会では部会「地域からの帝国論:比較史と現在」を企画し、中国、中央アジア、シオニズムを例に、帝国間競争が諸地域における主権概念や統治、民族運動のあり方に与えた影響を議論した。2011年1月22日の研究会「帝国へのまなざし」では、イラン、シャム、清朝の国王や官僚がヨーロッパの帝国をどう見ていたかを、旅行記を使って検討した。このほか、帝国統治における現地協力者の役割などについても議論を深めた。これらの作業・議論を通して、中心-周縁関係と国際関係の両方の視点から、ユーラシアの諸帝国や帝国崩壊後の展開の共通性と相違について認識を深めることができた。班員の研究成果は、国際中東欧研究協議会(ICCEES)世界大会、アメリカ歴史家協会(OAH)大会など国内外の学会でも発表した。また、英国図書館などで資料調査を行った。
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すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (15件) 図書 (7件) 備考 (1件)
アジア太平洋論叢
巻: 19号 ページ: 3-50
東洋文化
巻: 91号 ページ: 219-241
岩波講座『東アジア近現代通史』(岩波書店)
巻: 7 ページ: 45-70
「韓国併合」100年を問う(国立歴史民俗博物館編)(岩波書店)
ページ: 263-274
歴史学研究
巻: 865号 ページ: 22-26
Eurasian Perspectives : In Search of Alternatives(Anita Sengupta and Suchandana Chatterjee, eds.)(Delhi : Shipra Publications)
ページ: 64-77
Материалы международной научно-практической конференции 《VII чтения Машхур-Жусипа》. Павлодар : Павлодарский государственный университет
ページ: 28-33
Chinese Studies in History
巻: 43:3 ページ: 84-96
イギリス史研究入門(近藤和彦編)(山川出版社)
ページ: 272-293
巻: 3 ページ: 95-118
境界研究
巻: 1 ページ: 1-17
中国年鑑 2010(中国研究所編)(毎日新聞社)
ページ: 71-76
戦争を知らない国民のための日中歴史認識-「日中歴史共同研究<近現代史>」を読む(笠原十九司編)(勉誠出版)
ページ: 73-92
ロシア史研究
巻: 86 ページ: 31-47
伝統都市1 イデア(吉田伸之・伊藤毅編)(東京大学出版会)
ページ: 209-232
年報・日本現代史-60年安保改定とは何だったのか
巻: 15 ページ: 1-38
仏教の形成と展開(新アジア仏教史2インドII)(奈良康明・下田正弘編)(佼成出版社)
ページ: 333-381
思想と文化(ジェンダー史叢書3)(竹村和子・義江明子編)
ページ: 188-190
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/rp/index.html