研究領域 | ユーラシア地域大国の比較研究 |
研究課題/領域番号 |
20101006
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山根 聡 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (80283836)
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研究分担者 |
長縄 宣博 北海道大学, スラブ研究センター, 准教授 (30451389)
王 柯 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80283852)
古谷 大輔 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (30335400)
山口 昭彦 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (50302831)
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キーワード | 地域大国 / 国家 / マイノリティ / 移民 / 越境 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
研究概要 |
平成21年度は、研究会を計8回、国際セミナーを3回、研究打ち合わせを3回開催し、それぞれについて本プロジェクトのウェブサイト(http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/rp/)で報告を行った。 研究会では、1927年にアメリカ人ジャーナリストが刊行した"Mother India"を通読し、同書に描かれたインドの「輪郭」について議論した。同書における「インドの後進性」は、その後の欧米におけるインドのイメージを固定化させるものとなり、インド人側からは「インドの真の姿」を描こうとする著作が出た。すなわち、インド人自身が描くインドの「輪郭」が、図らずも表出されたのである。今後は、ロシアや中国のイメージについても考察を進め、3国の「大国像」形成の過程を研究していく。なお本研究会には大阪大学、京都大学や鹿児島大学の研究者が参加した。 国際セミナーについては「ユーラシア地域大国の比較研究」プロジェクトの各班と共催で2回行った。12月に「エリート、ガバナンス、政治社会的亀裂、価値」班との合同セミナーを大阪大学世界言語研究センターで開催し、1月には「帝国の崩壊・再編と世界システム」班との共催により、ロシア、アメリカ、パキスタン等から研究者を招いてセミナー「イスラームと帝国」を開催した。ここでは、ロシア、中国、インドにおけるマイノリティであるムスリムが、自らの居住空間を宗教的にいかに位置づけるかについて2日間にわたって検討した。 また、研究分担者はインド、中国、アルメニア、イギリス等へそれぞれ出張し、関連資料を多数入手した。出張についても、すでに上記ウェブサイトで報告を行っているが、モスクワ、北京、デリーなどへ留学する外国人留学生に着目し、地域大国を裏付けるソフトパワーとしての教育について基礎的な調査を行うなど、次年度の国際シンポジウム開催に向けた準備活動を行った。
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