研究概要 |
1. カゴ状近藤化合物CeOs_2Al_<10>が28.5Kで奇妙な2次相転移を起こすことを見出した。相転移温度は14Tの磁場をどの方位に印加しても殆ど変化しないので、相転移は磁気秩序とは考えられない。Prlr_2Zn_<20>が0.05Kで超伝導を示すことを発見した。クラスレートK_8Ga_8Sn_<38>ではKゲストが中心で振幅の大きな運動をしていることを確認した。 2. 反強磁性を示す充填スクッテルダイト化合物SmOs_4P_<12>の純良単結晶を育成し、dHvA効果の観測により、サイクロトロン有効質量がLaOs_4P_<12>に比べ約2倍重いことを見いだした。超伝導を示す充填スクッテルダイト化合物MPt_4Ge_<12>(M=Sr,Ba)の結晶を育成し,^<73>Ge-NQR測定からラットリングと超伝導の関係を調べた。 3. 新しい充填スクッテルダイト化合物の超高圧合成法により,BaFe_4As_<12>とGdFe_4As_<12>の合成に成功した。電気抵抗,磁化率,磁化過程の測定により,BaFe_4As_<12>は低温まで常磁性状態に留まるが、GdFe_4As_<12>は56Kで強磁性転移することを見出した。 4. ラットリング系R_3Pd_<20>Ge_6と同型構造のMn_3Pd_<20>P_6とMn_3Ni_<20>P_6を合成し、Mnが複雑な磁気構造をとることを磁化測定から推測した。重い電子的振る舞いを示すTm_2Rh_<12>P_7のナイトシフト測定から、ヴァンブレック常磁性であることを明らかにした。NiP_3の単結晶の育成に成功し、正常金属であることを確認した。 5. カゴ状近藤半導体Yb_<1-x>Lu_xB_<12>の70Tまでの強磁場下の磁化、磁気抵抗、ホール効果の測定から、小さい方のギャップが50Tで潰れた後、重い電子状態になることを見出した。高圧合成によってGdB_<12>を作製し、反強磁性転移を確認した。
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