研究概要 |
1.高畠:ゲストのBaが非中心ラットリングしているBa8Ga16Sn30のI型は466℃以上でVIII型に相転移しその転移は非可逆であることを見出した。CeT2A110(T=Ru,Os)の結晶場スキームを決定し,4f電子とAlの3p電子との混成が擬ギャップ形成及び特異な反強磁性転移を引き起こしていると提案した。 2.菅原:SmOs4Sb12のSmゲストの質量を変化させてラットリングの変化を調べるために同位元素154Smを用いて単結晶を育成した。しかし,2%の質量変化では,電気抵抗の温度依存性にはラットリングの変化が観測されなかった。 3.関根:GdFe4As12とTbFe4As12の希上類イオンの熱振動パラメータとアインシュタイン温度を見積もり,ラットリングが顕著であることを見出した。非充填スクッテルダイト化合物に超高圧を印加するとカゴを形成する原子の一部がカゴ内部に充填されることを確認した。 4.武田:RRu2Zn20(R=Lu,Sm)の比熱はRイオンのラットリングを示唆し,SmRu2Zn20は顕著な多極子効果を示さないが,SmRh2Zn20は反強磁性であり,磁場中で相転移が分裂することを見出した。Lu51r6Sn18は電気抵抗が非金属的であるにも拘わらず,2.6Kで超伝導転移することを発見した。 5.伊賀:超高圧焼成で単相化したSmB12の19Kと9Kでの逐次転移が磁気転移であることが判った。NdB12を高圧高温装置で単相化し,2Kまでは常磁性であることを確認した。近藤半導体YbB12のエネルギーギャップは磁場110Tあるいは圧力160GPaの印加で潰れることが判った。
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