研究領域 | 重い電子系の形成と秩序化 |
研究課題/領域番号 |
20102005
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤 秀樹 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60295467)
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研究分担者 |
鈴木 孝至 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (00192617)
宇田川 眞行 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (70144889)
岩佐 和晃 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00275009)
李 哲虎 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (80358358)
筒井 智嗣 公益財団法人高輝度光科学研究センター, その他部局等, 研究員 (70360823)
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研究期間 (年度) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 強相関電子系 / 大振幅非調和格子振動 / 重い電子系 / 超伝導 / NMR / ラマン散乱 / 弾性的性質 / 非弾性散乱測定 |
研究実績の概要 |
カゴ状物質について、以下の研究成果を得た。(1)I型Ba8Ga16Sn30のNMR実験から強い電子格子相互作用を明らかにし、1Kの極低温でのトンネリング状態を明らかにした。また中性子非弾性散乱実験から、ラットリングによる数meVの低エネルギー光学フォノンを見いだし、光学フォノンと音響フォノンの強い相互作用の存在を明らかにした。(2)LaT2Zn20(T=Ru,Ir)のNMRスピンスピン緩和率からラットリングの凍結を明らかにした。磁場中超音波実験によりPrT2Zn20(T=Ru,Rh)の低温相転移がPr4f電子の反強四極子秩序であることを明らかにした。(3)NdRu2Al10の超音波実験から逐次相転移を明らかにし、磁場温度相図を決定した。RRu2Al10に特徴的なTN以下での超音波モードのハード化を見いだした。(4)GaB6, DyB6についてX線非弾性散乱実験を行い、第一原理計算の結果と比較を行ったところ、重希土類イオン間での直接的原子間相互作用が抑制され、一方フェルミ面形状に起因した電子格子相互作用が顕著になることが明らかとなった。(5)SmRu4P12では、中性子散乱実験によって長距離秩序を観測し、秩序変数が八極子TαないしはTβであることを明らかにした。ROs4Sb12では、X線非弾性散乱により ゲスト・モードに関わる2種類の電子格子相互作用の存在を明らかにした。特に、 SmOs4Sb12に関しては、電子格子相互作用の温度依存性について調べ、非調和フォノンを媒介としたSmの価数揺動が実現していることを明らかにした。さらに、圧力下X線吸収実験から、Sm価数における特性温度と重い電子的振舞いの相関を見出し、価数による量子臨界性の可能性を指摘した。以上よりカゴ状構造特有の電子格子相互作用や電子間相互作用に関する重要な知見を得た。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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