研究領域 | 高温高圧中性子実験で拓く地球の物質科学 |
研究課題/領域番号 |
20103002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
永井 隆哉 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20243131)
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研究分担者 |
赤坂 正秀 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20202509)
栗林 貴弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20302086)
深澤 裕 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 主任研究員 (30370464)
佐野 亜沙美 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (30547104)
内海 渉 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究推進室長 (60193918)
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研究期間 (年度) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 中性子回折実験 / 含水鉱物 / ブルース石 / ポートランド石 / ローソン石 / 熱膨張挙動 / 高圧高温 / 結晶構造精密化 |
研究実績の概要 |
総括班がJ-PARCに整備したビームラインPLANETで、Mg(OD)2,Ca(OD)2,ローソン石を対象とした高温高圧下中性子回折実験を行った。試料はジルコニアのセルに充填され、グラファイトの管状ヒーターで加熱し、測定の最高温度、圧力条件は、7GPa,600℃であった。温度を400℃程度でアニーリングすることにより、加圧によってブロードニングを起こしていた回折線がシャープになった。また、ラジアルコリメーターが期待していた役割を果たし、試料だけの回折線が得られた。これらの結果、収集されたデータは、この温度圧力条件のものとしては、世界最高の質である。 Ca(OD)2については、3GPaに加圧後、500℃まで加熱し、室温まで3点の温度条件でデータを収集した。測定時間は約8時間であった。Rietveld法を用いた構造精密化の結果、3サイトモデルで構造をうまく説明でき、高温下ではサイト間の距離がより離れる。しかしながら、これまで層間の熱膨張が、この物質の熱膨張をコントロールしているとされていたのに反し、層間はむしろ負の熱膨張を示すことが明らかになった。これは、温度上昇によって、水素の非等方的な振動が激しくなった結果、水素に対する第2近接酸素との間に水素結合が誘起された可能性を示唆する結果である。 Mg(OD)2については、3GPaで300℃までの3点の温度条件でのデータを測定した。この実験は、赤外吸収実験から示唆されている、高圧高温下で新しい水素位置が生成する可能性を確かめるために行ったのだが、現在までの解析では、そのような水素位置の存在は認められない。 ローソン石は、加熱によるアニーリングの効果が顕著でなかったため、液体媒体を用いて約10GPaまで加圧した。その結果、以前報告されていた構造相転移が確認され、水素位置を含めた構造の精密化に成功した。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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