計画研究
地表環境から高温高圧領域までの水・液体や含水鉱物およびナノダイヤモンドの物性を明らかにする第一原理計算を行った。またそのための大規模シミュレーション手法の開発を行った。高圧下の液体に関しては、水の水素結合ネットワーク構造の温度圧力依存性を計算し、構造が水の物性に与える影響の予備的計算を行った。これまで用いてきた密度汎関数(BLYP)とGrimmeのファンデルワールス補正を組み合わせることによって、第一原理分子動力学シミュレーションから得られる常温常圧の水の構造および動的性質が実験結果との整合性において有意に改善されることがわかった。高圧金属液体リチウムの液体構造の温度圧力依存性を明らかにした。含水鉱物に関しては、地球深部における水の主要な保持層と考えられている含水ワズレアイトの弾性特性および振動特性に関する第一原理電子状態計算を行った。また地球における主要な含水鉱物である蛇紋石(高温・低温型)の構造および弾性特性に関する第一原理電子状態計算を行った。いずれの研究も国内・海外の学会において発表を行った。ナノ多結晶ダイヤモンドに関しては、その成長プロセス研究のための計算が行われた。具体的には、オリジナルコードを用いたオーダーN電子構造計算により、欠陥を含むダイヤモンド系を有限温度下で[111]方向および[100]方向に伸張することで、ダイヤモンドーグララァイト変換がおこり、両者の競合系を得た。これは多結晶ナノダイヤモンド形成メカニズム理解の第一歩となる。また、大規模量子分子動力学プログラムを多原子種系・電荷セルフコンシステント手法に対応させ、グリーン関数を通じての大規模電子状態解析手法の基礎路論、GPU(Graphic Processing Unit)を利用した高速計算法の開発を行った。
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