研究領域 | 高温高圧中性子実験で拓く地球の物質科学 |
研究課題/領域番号 |
20103005
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
飯高 敏晃 独立行政法人理化学研究所, 戎崎計算宇宙物理研究室, 専任研究員 (60212700)
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研究分担者 |
土屋 旬 愛媛大学, 上級研究員センター, 講師 (00527608)
池田 隆司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム物性制御・解析技術研究ユニット, 研究主幹 (60370350)
星 健夫 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80272384)
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研究期間 (年度) |
2008-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 高圧力 / 中性子散乱 / 量子シミュレーション / 地球惑星科学 / 水 / 氷 / 含水鉱物 / ナノ構造物質 |
研究実績の概要 |
高圧下での水(水素)の挙動を中心テーマとして、J-PARCでの高圧中性子実験に資するテーマについてシミュレーションを行い下記のような知見を得てきたが、それらをさらに推進し論文の形にまとめ上げ、一部は既に出版した。 (1) 下部マントルへ水を運搬する可能性が指摘されている含水鉱物Phase Dが安定な温度圧力領域を、第一原理計算により明らかにした。Phase Dの水素結合の対称化が40 GPa付近で起こり、体積弾性率が大きく増加することも示された。主要な含水鉱物のひとつである蛇紋石の低温多形Lizarditeが10GPa付近の圧力下で特異な弾性を示すことを明らかにした。 (2) 常温常圧の水および超臨界水を含む広い温度圧力領域において液体の水の分子動力学シミュレーションを実施し、分極理論と組み合わせることにより、隣接分子間の電子相間を考慮した振動スペクトルを解析することに成功した。超臨界水で水分子の変角振動のラマンスペクトルが消失する現象がはじめて説明できた。 (3) 氷VII相における水素原子の運動に対する圧力効果を分子動力学および非平衡熱力学モデルにより研究した。室温下で氷VII相を加圧すると圧力10GPa付近で特徴的なピークが電気伝導率に生じる現象が明らかになった。プロトン運動が10GPa付近で非常に活発になって、氷VII相中のプロトン化学に大きな影響を与えると考えられる。圧力10GPa付近における氷VII相の構造的、熱力学的、分光学的異常との関係に興味が持たれる。 (4) 10nmサイズの多結晶ナノダイヤモンドのシミュレーションを可能にするプログラムを開発し、「京」コンピュータ上での千万原子ベンチマークシミュレーションに成功した。大規模なsp3(sp2)ドメイン形成を量子論に基づいて自動的に判定するプログラムも開発した。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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