計画研究
電流注入型量子細線レーザー素子および変調ドープ型量子細線レーザー素子を用いて、電子系・正孔系・電子正孔系の利得特性を、電荷中性および非中性の場合を含む任意の濃度かつ温度で調べた。電流注入型や変調ドープ型のT型量子細線レーザーに対して、立体的な光学励起配置を工夫して、光励起を併用できるようにし、実際に、光励起により等濃度の電子正孔対を付加することで、様々な濃度の電子および正孔が注入された際の利得を計測することが出来た。その結果、T型細線の電子及び正孔の量子閉じ込めの非対称性を反映して、電流注入時には構造に応じて電子過剰や正孔過剰のキャリア注入が起きること、そのため光励起で中性電子正孔対を励起した場合に比べて著しいスペクトルシフトとブロードニングが生ずることが解った。半導体ブロッホ方程式理論を用いて利得特性・スペクトルの計算を行い、実験との比較を行った。マグネトロンスパッタリングによる誘電体多層膜形成および評価システムが整備された。半導体やガラス基板、半導体レーザー端面に、SiO2/HfO2の減反射や高反射誘電体多層膜コートやSiO2絶縁膜形成が可能になった。また、MBE用真空チャンバー搬入、液体窒素断熱配管・気液分離器の設置・試運転が完了し、さらに真空ポンプほか各真空コンポーネントの評価・調整・更新作業が進んだ。紫色・青色領域で発光するワイドギャップ半導体材料の励起と時間分解分光を行うため、電気的同期が可能な紫外線領域のピコ秒パルス光源を開発した。高速応答の1.55μm帯分布帰還型半導体レーザーの利得スイッチング動作をもとにした増幅や波長変換により、最短の時間幅4ps、最大ピークパワー200Wの第4高調波光(波長387nm)を得た。紫色・青色の発光物質の時間分解分光用光源として十分な特性を有する。
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