計画研究
発光および発光励起スペクトルの精密計測によう半導体中キャリア温度の絶対評価が達成された。吸収と発光のスペクトル間に成立するケナード・ステファノブ関係式(KS関係式)という基礎関係式を用いて、黒体輻射の場合と同様、モデルや物質パラメータを仮定することなくキャリア温度評価を行うことが可能であることを発見し、例証実験に成功した。非ドープ量子井戸においては、励起子状態とイオン化プラズマ状態の間に、キャリア温度は等しいが化学ポテンシャルがずれた非平衡状態が形成されていることが解った。単一め非ドープおよび変調ドープ型量子細線レーザー素子を用いて、光励起によって電子系・正孔系・電子正孔系め利得特性を調べた。KS関係式と類似のKMS関係式を用いてキャリア温度を、また化学ポテンシャルおよび自然放出強度からキャリア濃度を決定することに成功した。これによって、光学利得スペクトルや強度について、電荷中性および非中性の場合を含む任意の濃度に対し同じ温度での、理論計算と実験結果を比較することが出来るようになった。マグネトロンスパッタリングによる誘電体多層膜形成および評価システムを整備し、これを用いて半導体レーザー端面の高反射コーティングを試みた。平板基板上では設計どおりの高反射膜が得られたが、非平板の半導体レーザー端面においては設計どおりの膜厚が得られなかった。この膜厚のずれを織り込んで設計を行うか、より高真空下での電子ビーム蒸着を用いるかの対策が必要であると判断した。
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