計画研究
界面品質や構造均一性が著しく高く非常にシャープな発光線幅を有する半導体1次元量子細線および2次元量子井戸と、光導波路・光共振器などのデバイス構造を立体的に組み合わせた、高品質かつ高度に制御された低次元半導体レーザーの試作と評価を進めた。1次元遮蔽クーロン相互作用と光学利得のクーロン増強効果と抑制効果の関係やそれらの特徴を明らかにし、酸化物や窒化物を材料として用いた半導体レーザーの利得特性の研究にも新たに着手した。一層の試料開発のためMBE装置の整備・改造を進め、ベーキングやリークチェックをした上で、材料の蒸発セルを組み入れ、薄膜の試験成長を行った。へき開再成長を行うために必要となるその場へき開改造用MBE基板マニピュレーターの設計と特注製作も行った。超高密度励起下における半導体量子井戸レーザーの非線形現象・非線形光学効果研究として、利得スイッチングの実験を代表者と分担者が共同で進めた。InGaAs系1030nm帯光励起量子井戸レーザーやGaAs系800nm帯の光励起量子井戸レーザーの、光励起利得スイッチによる短パルス発生を行い、高速フォトダイオードと高速オシロスコープによる評価に加え、高感度オートコリレーション測定系を立ち上げて、評価を進めた。実際的なパラメータを用いたレート方程式による解析を行い、実験結果との比較を行った。領域内の理論チームと共同で半導体ブロッホ方程式を用いた理論解析との比較も行った。パルス的強励起下にて短波長シフトして短パルス化が増強するメカニズムを追求するため、光励起半導体量子井戸レーザーの利得スイッチング動作を行い、波長分解で発振の時間的変化をトレースした。比較のために、電流パルス励起の利得スイッチング動作についても詳細に調べた。
2: おおむね順調に進展している
実験は非常に順調に進展しているが、論文執筆および論文査読段階での改訂や反論などの面で予想以上の労力がかかっており、総合的にみて上記の自己評価とした。
変更や問題点はない。論文執筆および論文査読対応に一層努力する。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (24件)
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