計画研究
本研究の目的は格子計算を用いた第一原理計算による (1)QCDの真空構造とクォーク力学を解明(2)ハドロンの相互作用、低エネルギー定数の決定(3)核力の精密に決定、を通じて素粒子論および原子核理論において基礎的な理論情報を提供することである。最近の進展により3フレーバーの効果を取り込んだQCDの数値シミュレーションが可能になりつつある。我々は上記の目的を達成するためQCDの第一原理計算を確立することを目標とする。応用として有効理論のパラメータの決定や、ハドロン散乱の格子計算を通じて核理論や宇宙論など他の班の研究に対するインプットを高精度で与えることができる。またこの手法は素粒子のフレーバー物理等、新しい物理を念頭においた研究にも自然に応用が可能で様々な進展が期待できる。格子QCDの真空構造とハドロンの性質について以下の研究を行った。大野木を含むJLQCD collaborationは厳密なカイラル対称性をもちいた2+1フレーバーQCDの格子計算によって暗黒物質の探索レートの予言に重要な核子のσ項の精密決定を行った。その他にK中間子の形状因子、N=1の超対称ゲージ理論のカイラル凝縮の初期的研究も行った。山田はラージNゲージ理論の研究、フレーバー数の多い場合のQCDの結合定数研究をおこなった。蔵増を含むPACS-CS CollaborationはWilsonフェルミオンを用い、物理的質量直上での現実的格子QCD計算によるハドロン物理の研究を行った。2+1フレーバーQCDにおけるρ中間子の崩壊、チャームクォークを含むハドロンの性質の探求、少数核子系の束縛状態(deuteron)の直接計算の研究を行った。また、有限密度系の格子計算に対する手法の初期的研究も行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
Physical Review
巻: D 87, 034509 ページ: pp.1~pp.13
DOI: 10.1103/PhysRevD.87.034509
Progress of Theoretical and Experimental Physics
巻: 01A106 ページ: pp.1~pp.33
DOI: 10.1093/ptep/pts006
Proceedings of Science
巻: LATTICE2012 062 ページ: pp.1~pp.7
巻: LATTICE2012 111 ページ: pp.1~pp.7
巻: LATTICE2012 198 ページ: pp.1~pp.7
巻: LATTICE2012 047 ページ: pp.1~pp.7
巻: LATTICE2012 040 ページ: pp.1~pp.7
巻: 01A102 ページ: pp.1~pp.31
DOI: 10.1093/ptep/pts002
巻: LATTICE2012 066 ページ: pp.1~pp.7
巻: LATTICE2012 188 ページ: pp.1-pp.7
巻: D86 074514 ページ: pp.1-pp.9
DOI: 10.1103/PhysRevD.86.074514
巻: D86 034507 ページ: pp.1-pp.6
DOI: 10.1103/PhysRevD.86.034507
巻: D85 096008 ページ: pp.1-pp.12
DOI: 10.1103/PhysRevD.85.096008
Computer Physics Communications
巻: 183 ページ: pp.34-pp.37
DOI: 10.1016/j.cpc.2011.08.010
巻: LATTICE2012 143 ページ: pp.1-pp.7
http://suchix.kek.jp/bridge/A01/