計画研究
21年度は昨年度末の研究集会で議論した研究テーマについて研究を進めた。柴田を中心に、既存の数値相対論コードに現実的状態方程式およびニュートリノ放射の寄与を組み込む作業と計算の精密化・高速化を行い、連星中性子星の合体に対してインスパイラルから合体に至るまで安定に正しく計算可能であることを確認した。一方球対称重力崩壊のシミュレーションについては、住吉を中心としてブラックホール形成のダイナミクスとニュートリノ放出シグナルの予測を行なった。特に、核物質・ハイペロン・クォークの状態方程式を用いて、中心部の高温高密度物質の違いによる影響について系統的に調べ、ニュートリノ観測でハイペロンの出現を統計的に区別できるかどうかを明らかにした。さらに、梅田との連携を視野に大質量星のモデル(質量・金属量)依存性を系統的に調べるため、予備的なシミュレーションを行なった。多次元ニュートリノ輻射輸送計算コードの基礎部分を開発してテスト計算を行い、A04班(松古)と連携して、将来の計算規模や行列パターンの予測を行なった。核物質の状態方程式の研究を進めたほか、軽元素が出現する場合にニュートリノ重陽子反応が加熱率に及ぼす影響について明らかにした。鈴木は久野と共同で超新星近傍での自己相互作用を考慮したニュートリノ振動によるエネルギースペクトルの変化を系統的に調べた。梅田は吉田とともに、大質量星の進化計算コードに自転の効果を組み込む作業を進め、大質量星の質量放出物質の化学組成を系統的に調べた。また、宇宙の最初の星の成長、進化に対する暗黒物質対消滅の影響を明らかにした。梶野は中村とともに、Ic型の超新星爆発におけるニュートリノ反応入り元素合成ネットワークを計算し、軽元素の生成量を明らかにした。
すべて 2010 2009 その他
すべて 雑誌論文 (21件) (うち査読あり 21件) 学会発表 (19件) 備考 (1件)
Phys.Rev.D 81
ページ: 023008:1-7
JCAP 02
ページ: 018
Phys.Rev.C 81
ページ: 028501:1-4
J.Phys.G 37
ページ: 055101
Nuclear Physics A 835
ページ: 374-377
ページ: 295-302
Progress of Theoretical Physics 122
ページ: 673-691
Physical Review C 80
ページ: 035802-1-6
Physical Review D 80
ページ: 064037-1-27
ページ: 124004-1-23
The Astrophysical Journal 706
ページ: 1184-1193
Journal of Cosmology and Astroparticle Physict 08
Phys.Lett.B 674
ページ: 276-280
Phys.Rev.C 79
ページ: 059802:1-2
Astrophys.J. 698
ページ: 509-513
ページ: 061603(R):1-4
Phys.Rev.D 79
ページ: 123513:1-10
Astrophys.J. 701
ページ: 1506-1518
Phys.Rev.D 80
ページ: 103501:1-17
Astrophys.J. 707
ページ: 859-865
ページ: 125032:1-16
http://bridge.kek.jp/