研究領域 | 素核宇宙融合による計算科学に基づいた重層的物質構造の解明 |
研究課題/領域番号 |
20105005
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
松古 栄夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教 (10373185)
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研究分担者 |
吉江 友照 筑波大学, 数理物質科学研究科, 准教授 (40183991)
金児 隆志 , 素粒子原子核研究所, 助教 (20342602)
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キーワード | シミュレーション / 素粒子論 / 理論核物理 / 宇宙物理 |
研究概要 |
計算物理の手法を用いて、素粒子・原子核・宇宙物理を統一的に理解することが領域全体の目標であり、この課題ではそのために必要なアルゴリズムや計算手法などを研究・開発することを目的としている。次のような3つのアプローチから、それぞれ研究を行った。 1. アルゴリズム: 素核宇宙の数値計算アルゴリズムの改良を図るため、応用物理の研究者との連携を進めた。特に格子ゲージ理論に現れる線形問題については、共通の問題設定を行い協同研究の基盤とした。これは他分野への応用を進める上でのモデルケースとなる。Block Krylov法などの格子ゲージ理論への応用に進展があった。 2. アーキテクチャと並列化:GPGPUやCell B.E.等の演算アクセラレータを効果的に使用するために、講習会、研究会を開催した。格子ゲージ理論に対してはすでに実用段階に入っており、科研費で購入した計算サーバが効果的に利用されている。他分野への応用に関連して、多体問題や4倍精度計算での活用例について、これらの分野の研究者と議論を行った。大規模並列計算については、超新星爆発シミュレーションの研究者と効果的な並列化についての議論を行い、開発を進めつつある。 3. データ共有環境: ファイルサーバの増強と、Gfarmによるグリッドファイルシステムの改良を行った。これにより、研究グループ内でのファイル共有・転送サービスを実用段階に進めることができた。いくつかのグループにおいて、データの高速転送に活用されている。また、格子ゲージ理論のシミュレーションで生成されたデータの公開も進んでいる。これらの環境を効果的に利用するための講習会を開催した。 以上の研究に加え、格子ゲージ理論の共通コードを開発するプロジェクトを、この研究課題で開始した。これらの研究成果を反映させてゆくことにより、ユーザにとっての使いやすさと性能を両立させたコードの開発を目指している。
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