計画研究
微細加工後等の手法で調製した大きな比表面積を有する基板表面に種々の官能基や高分子鎖を導入し機能性を賦与することにより、これまでの材料をにくらべて優れた生体機能性のソフトインターフェースデバイスが実現可能となる。そのための手法として本年度は電界紡糸法(ESD)と表面開始重合を複合化した新規ソフトインターフェース構築法を検討した。1) 制御ラジカル重合官能基を導入した電界紡糸用高分子の合成と特性解析:エレクトロスプレーデポジション(ESD)後に表面の親水性・疎水性を表面開始グラフト重合により自在に制御できる高分子を分子設計し、合成した。具体的にはポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル系の高分子の合成の際に原子移動ラジカル重合の開始点となるハロゲン系の側鎖を導入した。2) ナノファイバー調製:電界紡糸装置を用いて、種々の高分子溶液からのナノファイバーを調製し、その形状に及ぼす紡糸条件の影響について検討し、最適なナノファイバー不織布の調製条件を確立した。さらにナノファイバー表面からの親水性および疎水性のグラフト鎖の調製を行い、超親水性ナノファイバー不織布マット、超疎水性ナノファイバー不織布マットの調製に成功した。表面の構造を走査電子顕微鏡、ミクロトーム断面の構造をAFM観察により評価し、グラフト鎖導入による表面化学組成の変化をXPS測定により、さらに動的な濡れ特性を液滴の高速度カメラによる観察に基づき評価した。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)
Composite Interface 16
ページ: 519-533
Polymer 35
ページ: 3537-3546
J.Polymer Science, Polymer Chemistry, Ed. 47
ページ: 4950-4962
J.Phys. Conference Series 184
ページ: 012010