研究領域 | ソフトインターフェースの分子科学 |
研究課題/領域番号 |
20106002
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高原 淳 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (20163305)
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キーワード | 界面構造・物性 / 生体材料 / 表面化学修飾 / ナノファイバー / 電界紡糸 / ナノインプリント / 表面グラフト層 / ドーパミン |
研究概要 |
1. ナノファイバー調製:電界紡糸装置を用いて、種々の高分子溶液からのナノファイバーを調製し、その形状、熱的性質、力学的性質、X線回折などの特性解析を行った。またドラムコレクターを用いて配向したナノファイバーメッシュの調製を行い、分子鎖の配向を偏光顕微IRにより評価した。特にポリビニルアルコールではファイバーの配向と微結晶の配向を分離して評価した。また生分解性のポリグリコール酸のナノファイバーを調製し、その構造と物性を評価した。 2. ソフトインターフェースの界面特性解析:ソフトインターフェースとして重要な水界面での特性として、空気中での水滴の種々の表面への着弾挙動を高速度カメラ観察により評価した。 3. ナノインプリント表面と埋もれた界面の特性解析: ポリ乳酸表面にナノインプリント法でナノ形状を形成し、その表面に薄膜を積層したナノ流路モデルを作成した。このモデルの埋もれた界面微細構造を放射光小角散乱で明らかにした。 4. 薬剤徐放ステントモデル表面の調製: 低摩擦性で薬剤を導入可能な高分子電解質を累積した薬剤徐放ステントモデル表面を調製する。そのための基板への固体化部位にステンレスと強い相互作用を示すドーパミンユニットを導入した新規高分子電解質を合成した。この高分子をステントモデルとしてのステンレス基板に吸着後、交互積層法でヘパリンと正に荷電したモデル薬剤ナノ粒子を積層し、その構造とモデル薬物の放出挙動を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究よりナノインプリントのみならず、ナノファイバー、DES用積層材料など多様な材料が調製でき、新しいソフトインターフェースの創成という観点では大きく進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題で調製した材料の応用展開に関して更に連携を生かしながら積極的に推進していく必要がある。さらに微細加工した表面の形態学、回折・散乱、濡れ測定などの相補的な手法による特性解析を実行する。
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