高分子ソフトインターフェースの2次元状態の極限モデルとして、高分子単分子膜の構造、物性について、主として原子間力顕微鏡(AFM)を用いて検討した。その結果、(1)高分子2次元結晶の融解挙動をin situで分子鎖レベルで直接観察することに成功し、融点が著しく低下していることを見出した。また、(2)ガラス転移温度の大きく異なる相溶系ブレンド単分子膜を用い、片一方の成分を少量添加とすることで、単分子膜に可溶化した孤立鎖の形態を直接AFM観察することに初めて成功した。他にも、(3)ブレンド単分子膜がスピノーダル分解により相分離することを初めて見出した他、(4)孤立鎖の高温in situ観察、(5)基板上の気相ラジカル重合のAFM観察等、について検討を行った。
|