計画研究
タンパク質系のポテンシャルエネルギー(力場)のパラメータの改良をさらに行った。特に、OPLS/UAの力場の改良に成功した。また、2000年に我々が開発した、多変数レプリカ交換法の一つの例として、温度の代わりに、タンパク質分子内の原子のファンデルワールス半径のスケール値を交換する、新しい拡張アンサンブル法(ファンデルワールスレプリカ交換法)を開発した。これは、水中のタンパク質のレプリカ交換シミュレーションで膨大な数のレプリカが必要になるという困難を克服するものである。水中のアラニン・ジペプチドの系でその有効性を示した。更に、昨年定式化した、多次元拡張アンサンブル法の一般論の一例として、定圧・定温アンサンブルにおける拡張アンサンブル法を議論し、特に、新たにこのアンサンブルにおいて温度と圧力のランダムウォークを引き起こす、焼き戻し法(simulated tempering)版を開発した。これらの手法を水中のアラニン・ジペプチドに適用し、1回のシミュレーションの結果から任意の温度と圧力における熱力学量を計算することができることを示した。また、タンパク質系の構造予測のための新しいエネルギー最適化法として、徐冷分子動力法と遺伝的アルゴリズムを合体させた新しい手法を開発した。更には、創薬のための準備として、薬剤候補の小分子の水中での構造とタンパク質に合体した構造を自由エネルギー地形を計算して比較した。その準備として、小分子の部分電荷の計算に2つの手法を適用し、その有効性を調べた。
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