本研究では、分子の持つ揺らぎやすさやエネルギー揺らぎ変化を時間分解し、過渡種の揺らぎとダイナミクスを結び付ける手法の開発と、実際に光受容タンパク質への適用を行う。こうした揺らぎの時間分解計測法を確立し、反応の進行に構造揺らぎがどのような役割を果たしているかを明らかにする。これらの手法を、動物・植物・細菌が持つ種々の光センサーに適用し、共通因子を明らかにすることにより、揺らぎがいかに機能と結びついているかという一般則を見出す。また、他グループとの共同研究を通して、揺らぎを制御するために必須の要因をアミノ酸残基単位で明らかにし、それがそのタンパク質の機能とどう関係しているかを明らかにする。その背景にある分子論的な要因を探る。 また、情報伝達過程と揺らぎとの関係を明らかにするために、拡散を用いて分子間相互作用ダイナミクスを検出し、ここで開発する時間分解揺らぎ検出法を組み合わることで、いかにして生体タンパク質は揺らぎを使ってタンパク質-タンパク質相互作用を制御しているかを明らかにする。
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