計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
フラーレンC_<60>の内部は球状のπ電子系に取り囲まれた内径約3.7Aの特異な空間であり、H_2,H_2O,CO等の小分子が内包される最適な大きさのπ空間である。これまでは、フラーレン内部に小分子を挿入する一般的手法が存在しなかったため、このπ空間に関する研究はほとんど例が無かった。一方π電子系化合物は機能の宝庫である。従来の平面性の高い二次元系ではなく、三次元的にπ電子系が広がった化合物では、歪んだπ電子系に由来する新規物性の発現が期待される。本研究では、小分子の可逆的な出入りが可能な開口C_<60>ならびに開口C_<70>について、不対電子や双極子をもつ活性小分子をπ 空間内部に閉じ込めることにより、特異なπ空間としてのフラーレン内部の性質を解明する。さらに、内包された活性小分子による外側のπ電子系の物性制御をも目指す。加えて、フラーレン上の開口部を大きく拡大し平面π電子系を連結することによって、新しい三次元π電子系を構築し、得られた化合物がもつ拡大されたπ空間に活性小分子が取り込まれた複合系を構築する。当領域ではサブナノスケールの三次元π空間を独自の手法により創製する役割をもち、また、得られた新規π電子系化合物を材料として提供することにより、バルクとしての物性研究に貢献し、そこから更にπ空間設計の指針を抽出していく。
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