計画研究
構造の明確な拡張π電子共役系化合物の利点を活かした、高次π空間の構築と解析および有機・分子エレクトロニクスへの応用に向けた革新機能の開拓に関して、以下の研究を遂行した。1.高いπスタック自己会合性と半導体特性を有する分岐型共役系のこれまでの研究展開を受けて、バルクへテロ接合型薄膜太陽電池におけるフラーレンに代わるアクセプター成分の開発を目指し、当研究室でFET用n型半導体として開発されている電子受容性π共役分子ユニットを組み込んだ、薄膜での多次元的な電子輸送が期待できる分岐型共役系の開発を行い、分岐鎖の共役長に依存した基礎物性および電界効果トランジスタや有機太陽電池の特性に及ぼす効果を明らかにした。さらにこの結果を受けて、有機太陽電池用の低分子アクセプター材料へと展開した。2.フルオロアルキル基の凝集効果による分子配列の制御と有機太陽電池への応用を目指して、分岐アルキル基を有するチオフェンと組み合わせた各種ポリマーの開発を行った。バルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において、フルオロアルキル基を有するフラーレンを組み合わせた際に光電変換機能が確認された。3.バルクへテロ接合型薄膜太陽電池のドナー材料として、当研究室で開発されている電子受容性π共役分子ユニットを組み込んだ狭バンドヤップ型ポリマーを開発した。フラーレン誘導体を組み合わせた薄膜型太陽電池は4%を超えるエネルギー変換効率を示した。4.分子エレクトロニクスに向けて、フルオレン置換長鎖オリゴチオフェン被覆型分子ワイヤの開発に成功し、平面性の高い共役系と被覆の効果を明らかにした。また、の導電挙動を明らかにした。単分子光電変換素子に向けて、チオールアンカーを有する鎖長の異なるオリゴチオフェンとフラーレンを直線的に連結した化合物を合成し、光誘起による電荷分離と金電極上の単分子膜において光電変換機能を確認した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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