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2009 年度 実績報告書

π電子化合物のシークエンス制御

計画研究

研究領域高次π空間の創発と機能開発
研究課題/領域番号 20108008
研究機関独立行政法人物質・材料研究機構

研究代表者

田代 健太郎  独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (40332598)

キーワードシークエンス / π電子化合物 / 金属ポルフィリン / ターピリジン / 固相合成 / フラーレン
研究概要

昨年度の検討で設計に成功したアミノ酸部位を有するπ電子系配位子を用いて種々の金属錯体を合成し、そのペプチド固相合成反応への適性をスクリーニングした結果、プラチナ、ロジウム、ルテニウム錯体が使用可能であることを見出した。これらの錯体の逐次連結を固相担体上で行い、各反応ステップにおける生成物の質量分析から、シークエンスの制御されたπ電子系金属錯体アレイを構築できることを実験的に裏付けた。生成物を担体から切り出し後、SECで精製を行い、5量体までの単離を達成した。
これまでの検討から、環状銅ポルフィリンダイマーが金属内包フラーレンLa@C_<82>を取り込むとホストゲスト間に強磁性的なスピン相互作用が働く一方、二つの銅ポルフィリン部位をさらに架橋してLa@C_<82>をホスト内に封じ込めると相互作用がスイッチしてフェリ磁性的になることを見出している。この現象のより深い理解のために、モデル化合物のDFT計算を共同研究として行つた。その結果、二つの銅ポルフィリン部位の架橋前では、銅ポルフィリン同士はハの字型になり、La@C_<82>は銅ポルフィリンの中心からずれた位置で接触する一方、架橋後では銅ポルフィリン同士は平行となり、La@C_<82>は銅ポルフィリンの中心で接触することが示唆された。架橋後のホスト・ゲスト複合体はエネルギー的には不安定であり、ゲストの解離・会合がおこる平衡状態では実現不可能であることから、ゲストの封入がスピン相互作用のスイッチに決定的な役割を果たしていることが分かった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (5件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 固相合成を用いた金属錯体アレイの構築2010

    • 著者名/発表者名
      田代健太郎
    • 学会等名
      日本化学会第90春季年会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2010-03-29
  • [学会発表] シークエンスの制御と金属錯体2010

    • 著者名/発表者名
      田代健太郎
    • 学会等名
      09-2超分子研究会
    • 発表場所
      慶応大学
    • 年月日
      2010-01-21
  • [学会発表] Novel Approaches for Sequence Control in Covalent and Supramolecular Arrays2009

    • 著者名/発表者名
      K. Tashiro
    • 学会等名
      International Conference on Polymers and Advanced Materials
    • 発表場所
      Huatulco, Mexico
    • 年月日
      2009-11-23
  • [学会発表] 固相合成を用いた金属イオンアレイのシークエンス制御2009

    • 著者名/発表者名
      田代健太郎
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2009-09-16
  • [学会発表] キラルな両親媒性ドナー・アクセプターダイアッドの自己組織化による光導電性材料の創成2009

    • 著者名/発表者名
      田代健太郎
    • 学会等名
      第37回フラーレン・ナノチューブ総合シンポジウム
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2009-09-02
  • [図書] 超分子サイエンス2009

    • 著者名/発表者名
      田代健太郎
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      エヌティーエス
  • [図書] ナノ空間材料の創成と応用2009

    • 著者名/発表者名
      田代健太郎
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      フロンティア出版
  • [産業財産権] 金属錯体アレイとその製造法及び材料2010

    • 発明者名
      田代健太郎, ポティアパンバイラプラカシュ, 植木久憲, オマールヤギ
    • 権利者名
      物質・材料研究機構
    • 産業財産権番号
      特許、特願2010-038460
    • 出願年月日
      2010-02-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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