研究領域 | 高次π空間の創発と機能開発 |
研究課題/領域番号 |
20108013
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
菊池 純一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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研究分担者 |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (90545716)
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キーワード | 人工細胞膜 / 自己組織化 / π空間 / ナノデバイス / セラソーム |
研究概要 |
本研究では、脂質分子の自己集積によって形成される人工細胞膜に、高次π空間を形成する種々の機能素子を三次元的に集積して、ナノデバイスとしての機能の創出を目指している。平成23年度に得られた成果は以下のとおりである。 1.平面π電子系の機能素子の人工細胞膜への集積化とデバイス機能の創出 ポルフィリンやフタロシアニン等の平面性をもつπ電子系機能素子を、静電効果や疎水性相互作用を用いて、セラソームなどの曲率をもった人工細胞膜に集積化できることがわかった。例えば、疎水性フタロシアニンを集積化したセラソームでは、高いレドックス応答性を示すナノデバイス作製が可能になった。さらに、π電子系機能素子の集積化によって、膜ドメイン形成や膜融合などの動的挙動を誘起できること明らかにした。 2.非平面π電子系の機能素子の人工細胞膜への集積化とデバイス機能の創出 非平面性をもつπ電子系機能素子として、カーボンナノチューブと金属内包フラーレンに焦点をあてて検討を行った。すなわち、前年度までに開発したカーボンナノチューブを集積した人工細胞膜の抗菌デバイスとしての機能を向上させるために、刺激応答性抗菌デバイスの創出を目指して検討を行い、抗菌活性に光シグナル応答性を付与できることがわかった。また、金属内包フラーレンを人工細胞膜へ集積化したナノデバイス創出のための最適条件を探索し、膜の配向性や相挙動が金属内包フラーレンの集積化に与える効果を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に計画していた、平面π電子系及び非平面π電子系の機能素子の人工細胞膜への集積化とデバイス機能の創出は、いずれも所期の成果が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
平面π電子系機能素子の人工細胞膜への集積化とデバイス機能に関しては、入力シグナルの分子認識情報を膜の形態変化のようなマクロな現象に変換して読み出すことが可能な新規情報変換デバイスの創出を目指す。また、非平面π電子系機能素子の人工細胞膜への集積化とデバイス機能に関しては、金属内包フラーレンに焦点を絞り、これを人工細胞膜へ集積化して、膜の配向性や相挙動の特性を利用した刺激応答性ナノデバイスとしての機能創出を目指す。これらの検討にもとづき、人工細胞膜に集積した高次π空間のデバイス機能を明らかにする。また、領域内の共同研究も積極的に推し進める。
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