研究領域 | 海底下の大河:地球規模の海洋地殻中の移流と生物地球化学作用 |
研究課題/領域番号 |
20109003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
砂村 倫成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90360867)
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研究分担者 |
山本 啓之 海洋研究開発機構, 極限環境生物圏研究センター, 技術研究主幹 (30182645)
福場 辰洋 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (80401272)
岡村 慶 高知大学, 自然科学系, 准教授 (70324697)
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キーワード | 深海環境 / 自然現象観測・予測 / 海洋探査 / 水循環 / 海洋生態 / 化学物質循環 / 微生物活動 / 深海熱水プルーム |
研究概要 |
「海底下の大河」(以下「大河」)は、地下に広がる流域から様々な金属元素やマグマ揮発成分等を溶かし込み、熱水・メタン湧水として海洋へ流出する。本領域では、イオウ、水素、メタン、鉄の化学成分で特徴づけられる4種類の「大河」を仮定し、その検証を目的としている。本計画研究では、海洋に放出された「大河」の化学・微生物・生態学的影響を「大河」の種類毎の検証を目的とし、2008,2009年度は、観測方法の確立とイオウ・メタンの大河の観測を実施した。2010年度は、 1.水素の大河のプルーム調査をインド洋かいれいフィールドで実施し、プルーム中での高い水素濃度を見出すとともに、プルーム中での微生物細胞の増加やプルーム内での動物プランクトン(主としてヤムシ類)の増加を見出した。 2.北マリアナ海域の深海熱水系において、RIトレーサーと保圧型培養装置を用いた世界中の熱水系でも初めてとなる熱水プルーム中での微生物群集による炭素固定活性の見積もりに成功した。 3.メタンの大河沖縄トラフで、伊是名海穴熱水プルーム中の動物プランクトンを採取し、プランクトン中の安定同位体や重金属測定を実施した。また、伊是名海穴近傍で新規熱水活動域を発見した。 この他にも熱水プルームの迅速かつ効率的な検出法となりうる、AUVとADCP音波探査を用いた熱水プルーム立体検出手法を開発している。これらの結果や技術は、深海生態系への大河の影響を実際に見出すとともに、大河フラックスや新規熱水探査に有効な効率的な三次元プルーム探査技術にもつながるものである。
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